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	<title>Kindle Unlimited対応  |  古典のいぶき</title>
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	<description>世界一やさしく古典文学を解説！</description>
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	<title>Kindle Unlimited対応  |  古典のいぶき</title>
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		<title>『まだらの紐』のあらすじや考察、トリックを解説！作者コナン・ドイルが最も愛したシャーロック・ホームズ短編</title>
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		<dc:creator><![CDATA[ぶんちん]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 01 Aug 2020 05:30:57 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[イギリス近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[イギリス文学]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[推理小説]]></category>
		<category><![CDATA[アーサー・コナン・ドイル]]></category>
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					<description><![CDATA[あなたはミステリ小説を読むとき、自分でも推理を楽しみたい派ですか？ もしそうなら、今回ご紹介する『まだらの紐』（短編集『シャーロック・ホームズの冒険』収録作品）はオススメの作品です！ 何度読んでもおもしろいのがシャーロッ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>あなたはミステリ小説を読むとき、自分でも推理を楽しみたい派ですか？</p>
<p>もしそうなら、今回ご紹介する<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00JWPBW0G/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=f6ebc013e89778227e6ff2e183a6f3c1">『まだらの紐』</a>（短編集『シャーロック・ホームズの冒険』収録作品）はオススメの作品です！</p>
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<p>何度読んでもおもしろいのがシャーロック・ホームズシリーズですが、ネタバレ前に読んでおきたいエピソードもたくさんあります。</p>
<p>『まだらの紐』もまさにそんなエピソードの一つ。</p>
<p>作中にちりばめられたヒントをもとに、ホームズとワトスンと共に推理を楽しめる作品になっています。</p>
<p><strong>前半はあらすじとトリビア</strong>をご紹介し、<strong>後半はネタバレあり</strong>で考察していきます。</p>
<p>作者コナン・ドイルが一番好きな短編として挙げていた自信作を、さまざまな角度からお楽しみください！</p>

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</div>

<h2><span id="toc1">まだらの紐の作品情報</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;">作者</span></th>
<td><span style="font-size: 18px;"><a href="https://koten-ibuki.com/tag/conan/">アーサー・コナン・ドイル</a></span></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;">執筆年</span></th>
<td><span style="font-size: 18px;">1892年</span></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;">執筆国</span></th>
<td><span style="font-size: 18px;"><a href="https://koten-ibuki.com/category/eng-lit/">イギリス</a></span></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;">言語</span></th>
<td><span style="font-size: 18px;">英語</span></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;">ジャンル</span></th>
<td><span style="font-size: 18px;"><a href="https://koten-ibuki.com/tag/detective/">ミステリ</a></span></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;">読解難度</span></th>
<td><span style="font-size: 18px;">読みやすい</span></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;">電子書籍化</span></th>
<td><span style="font-size: 18px;">〇</span></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;"><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></span></th>
<td><span style="font-size: 18px;">×</span></td>
</tr>
<tr>
<th><span style="font-size: 18px;"><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></span></th>
<td><span style="font-size: 18px;">〇</span></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>1892年にホームズ・シリーズの短編第8弾として発表された『まだらの紐』。</p>
<p>1900年に滞在先の南アフリカでインタビューに答えた作者コナン・ドイルは、短編作品の中で一番のお気に入りとしてこの作品を挙げ、最後のホームズ作品を発表した1927年にも、この作品を短編の第一位としています。</p>
<p>後にも先にもホームズ短編でこれ以上の作品はなかったということでしょう。</p>
<p>オブザーバー誌の読者人気ランキングでも一位を獲得しており、ファンの間での評価も高い一作です。</p>
<h2><span id="toc2">まだらの紐の簡単なあらすじ</span></h2>
<p>1883年4月のある日。朝も早い時間に、<strong>ホームズ</strong>と<strong>ワトスン</strong>が暮らすベイカー街221Bの部屋に全身黒ずくめのベールをかぶった女性が押しかけてきます。</p>
<p>その女性は、サリー州ストーク・モーランの屋敷に義父と二人で暮らし、結婚を間近に控えた32歳の<strong>ヘレン・ストーナー</strong>嬢でした。</p>
<p>彼女は、人里離れた屋敷での暮らしと義父の性質、双子の姉<strong>ジュリア</strong>が亡くなった日のことをホームズとワトスンに話します。</p>
<p>2年前のジュリアは、現在のヘレン同様結婚を控えていました。が、就寝中に悲鳴を上げたのち、「まだらの紐」という不可解な言葉を遺して亡くなってしまいます。</p>
<p>検死やその後の調査でも特に怪しい点は見つからず、死因もはっきりしないまま月日が経ってしまいました。しかし、その時の姉の異常な様子や姉の遺した言葉を、ヘレンは忘れることができません。</p>
<p>ヘレンは寝室の改修工事のため、姉が使っていた寝室を急遽あてがわれます。すると、就寝中、生前の姉が口にしていた「口笛のような音」を耳にします。</p>
<p>彼女は自分自身もジュリアのようなことになるのではという不安にかられ、すがるような思いでベイカー街に助けを求めに来たのでした。</p>
<p>彼女の財産状況や、義父<strong>グリムズビー・ロイロット</strong>博士のエキセントリックな言動を聞いたホームズは、一刻を争う事態と判断。すぐさま現場に乗り込み調査をすることにします。</p>
<p>ジュリアはなぜ亡くなったのか、「まだらの紐（バンド）」とは何なのか。緊迫する状況の中で、ホームズの観察眼と推理が冴えわたり、驚きの結末につながっていきます。</p>
<p>作者コナン・ドイルも短編の中で一番のお気に入りと話し、ファンの間でも人気の高い名作短編です。</p>
<h2><span id="toc3">こんな人に読んでほしい</span></h2>
<div class="blank-box">・ホームズシリーズの代表作は一通り読みたい<br />
・勧善懲悪のシンプルなミステリを楽しみたい<br />
・推理を楽しめるホームズ作品を読みたい</div>
<div>
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</div>

</div>
<h2><span id="toc4">まだらの紐の時代背景や推理の面白さを解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">「ロマ族」はわかりやすく言うと「ジプシー」のこと</span></h3>
<p>依頼人ヘレン・ストーナー嬢の義父グリムズビー・ロイロット博士は、気性が激しく、古くから一族の屋敷のあるストーク・モーランでも人々から恐れられ、敬遠される存在。</p>
<p>そんな彼が唯一親しく付き合っているのは、<strong>「ロマ族の一団」</strong>でした。領地内での野営を許可し、時には彼らとともにふらりと旅にでかけてしまうほど仲良くなっています。</p>
<p>この「ロマ族」とは、一般に<strong>「ジプシー」</strong>と呼ばれる人たちのこと。ホームズシリーズのような昔の作品に出てくることが多いですが、現代にもそのルーツに誇りを持ち、文化と暮らしを守り続けるジプシーたちが存在しています。</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="alignnone size-full wp-image-2561" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/a000011db939e5514bf46b2b712e284f.jpg" alt="ロマ族　荷馬車" width="798" height="592" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/a000011db939e5514bf46b2b712e284f.jpg 798w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/a000011db939e5514bf46b2b712e284f-300x223.jpg 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/a000011db939e5514bf46b2b712e284f-768x570.jpg 768w" sizes="(max-width: 798px) 100vw, 798px" /><br />
<span class="quote">ロマ族の荷馬車（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>元をたどればインドにルーツがあり、「放浪の民」と呼ばれるジプシー。放浪する中で手に職をつけ、移動を続けながらたくましく暮らしてきた彼らですが、各地で時の為政者の方針に振り回されるなど、その道のりは<strong>苦労の多いもの</strong>でした。</p>
<p>『まだらの紐』の舞台である19世紀の終わりごろには、彼らを劣等人種にカテゴライズする学者も出てくるなど、人種差別の対象とされていました。これが、のちの大戦で迫害を受けるという悲惨な歴史につながっていきます。</p>
<p>残念ながら作中に登場するロマ族たちも、あまりよいイメージでは描かれていません。</p>
<p>しかし、若いころにインドで暮らしていたロイロット博士にとって、インドにルーツのある彼らの雰囲気や暮らしぶりは、どこか落ち着けるものだったのでしょう。</p>
<p>また、ロマ族たちのほうでも、自分たちを嫌な顔をせずに受け入れてくれるロイロット博士に対して、心を開いていたのかもしれません。</p>
<h3><span id="toc6">当時の世相が垣間見えるロイロット家の資産状況</span></h3>
<p>ヘレンの話を聞いてホームズが真っ先に気になったことは、<strong>ロイロット家の資産状況</strong>でした。</p>
<p>ロイロット家は、姉妹の亡き母が遺した投資資産の利息で成り立っていましたが、姉妹の結婚によって取り分が分割されるという条件が付いていました。<strong>事件には「結婚」が関わっている</strong>と推理したホームズは、まず資産状況の確認を始めます。</p>
<p>姉妹の母が遺した資産の投資先は農作物でした。おそらく投資を開始したと思われる1850年ごろは、まだ農作物への投資も十分利益が見込める状況だったのでしょう。しかし、1870年代ごろから不作や冷害などの影響で農作物の市場が冷え込みます。</p>
<p><img decoding="async" class="alignnone size-large wp-image-2562" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/countryside-918722_1280-1024x682.jpg" alt="" width="1024" height="682" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/countryside-918722_1280-1024x682.jpg 1024w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/countryside-918722_1280-300x200.jpg 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/countryside-918722_1280-768x512.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/countryside-918722_1280.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></p>
<p>姉妹の母が亡くなった頃には、利息だけで年に1000ポンド以上の収入になり、かなり裕福な暮らしを送れていたと思われます。もっとも、事件の起こった1883年ごろには、農作物の価格下落の影響で年に750ポンドほどに減収してしまっています。</p>
<p>元金には手を付けられない取り決めのため、投資先を変えることもできず、<strong>生活が今後ますます厳しくなっていくことは目に見えていた</strong>のです。</p>
<p>国内農業が冷え込んでいた時代が物語の背景としてうまく効いていて、当時の読者がホームズ作品にリアリティを感じていたというのもうなずけます。</p>
<p>現代のシャーロキアンたちがこうした背景の研究を世界中で行っていますので、そうした文献を読んで、ヴィクトリア朝のリアルを感じながら作品を楽しみましょう！</p>
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</div>

<h3><span id="toc7">力自慢や友への配慮など、ホームズのさまざまな表情にも注目</span></h3>
<p>作品ごとに新たな表情を見せてくれるホームズ。この作品でも推理ロボットとしてだけでなく、<strong>人間味のある一面</strong>を見せてくれます。</p>
<p>まずはヘレンの凶暴な義父グリムズビー・ロイロット博士との対面シーン。まんまと後をつけられていたヘレンが帰った後、なんとロイロット博士その人がベイカー街221Bに現れます。</p>
<p><strong>「家族のことだから口を出すな」</strong>と脅しに来たわけです。彼はホームズを威嚇すべく、鋼鉄の火かき棒を2つに折り曲げるというパフォーマンスを披露します。アルミ製ではなく、鉄製。つまり、めちゃくちゃ硬い棒です。</p>
<p>ホームズはひょうひょうとその場をやり過ごしますが、博士が帰った後、折り曲げられた火かき棒をもとに戻します。実はすごく柔らかい棒だった、というわけではありません。</p>
<p>実は、<strong>ホームズも怪力の持ち主</strong>という驚きの一面がさらりと披露されているのです。「別に俺も強いし」という感じで、ワトスンの前でその力を見せつけているところも、人間らしさがあっていいですね。</p>
<p>次に、印象的なのは終盤に事件解決に向けて動き出すシーン。かなり危険な状況に飛び込むということで、<strong>ホームズはワトスンを気遣います</strong>。友達ですからね、そんな死ぬかもしれない危ない目に遭わせていいのかと心配になるのもわかります。</p>
<p>ワトスンが覚悟を示し、一緒に行くことにはなるのですが、このシーンのホームズにはちょっとジーンとさせられますね。</p>
<p>自分はワトスンに一緒に来てほしいけど、もし万が一ワトスンに何かあったら悔やんでも悔やみきれないという葛藤。危険な場面の多いホームズの仕事では、常につきまとう悩みだったのかもしれません。</p>
<p>ホームズの多彩な一面やワトスンとの友情はシリーズの読みどころです。ミステリとしてだけでなく、こうした人間ドラマも巧みに織り込まれている点も人気の秘密なのだと思います。</p>
<h3><span id="toc8">謎解きのヒントが満載！読者も推理を楽しめる一作</span></h3>
<p>この作品の面白さは、なんといっても<strong>「読者もホームズと同じ情報を得て推理を楽しめる」</strong>という点でしょう。</p>
<p>エラリー・クイーンの作品に代表される「読者諸君！この謎が解けるかな？」という、あからさまな「読者への挑戦状」形式ではありません。が、謎を解くヒントは解決シーンまでにすべてちりばめられており、それらの情報で推理することも可能なのです。もちろん、謎を解くためにはベースとなる知識が必要ではありますが。</p>
<p>ミステリ作品で最も興ざめしてしまうパターンは、解決編になって読者の知らない新たな事実が明かされるという展開。こうなると読者は謎解きからは完全に締め出されてしまいますし、真相が明かされても素直に驚けません。</p>
<p>フェアプレイだからこそ、<strong>「自分もホームズと同じものを見ていたのに、全然解けなかった！やっぱりホームズすごい！」</strong>という気持ちになれるのであり、それがこの作品の人気につながっているのかなと思います。</p>
<p>初読の方はぜひぜひ推理を楽しみながら読み進めてみてください！</p>
<p><strong>※ネタバレありの感想や考察は次のページへ！</strong></p>
]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>『赤毛組合』のあらすじや感想、内容を解説！作者コナン・ドイルもお気に入りの名作短編！</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/red-headed-league/</link>
					<comments>https://koten-ibuki.com/red-headed-league/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[ぶんちん]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 08 Jul 2020 09:34:19 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[イギリス近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[イギリス文学]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[推理小説]]></category>
		<category><![CDATA[アーサー・コナン・ドイル]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://koten-ibuki.com/?p=2543</guid>

					<description><![CDATA[ホームズシリーズは様々な面で魅力にあふれ、あらゆる角度から研究される古典ミステリの名作です。 中でもストーリーの核となるのが、ホームズによる鮮やかな推理と危険を伴うハラハラドキドキのアクションでしょう。 そんな魅力を一気 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>ホームズシリーズは様々な面で魅力にあふれ、あらゆる角度から研究される古典ミステリの名作です。</p>
<p>中でもストーリーの核となるのが、ホームズによる鮮やかな推理と危険を伴うハラハラドキドキのアクションでしょう。</p>
<p>そんな魅力を一気に味わえる短編が今回ご紹介する<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4062851792/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=7f5b730d736d35b19e9a8d50c0d8c7fa&amp;language=ja_JP">『赤毛組合』</a>。作者コナン・ドイルも「正典の中で2番目に好きだ」と言っていたらしい作品です。</p>
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<p>前半は<strong>あらすじ</strong>と<strong>トリビア</strong>をご紹介し、後半は<strong>ネタバレあり</strong>で考察していきます。</p>
<p>読みごたえ抜群の人気短編を一緒に楽しみましょう！</p>

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          </div>

</div>

<h2><span id="toc1">赤毛組合の作品情報</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/tag/conan/">アーサー・コナン・ドイル</a></td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1891年</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/category/eng-lit/">イギリス</a></td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>英語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/tag/detective/">ミステリ</a></td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>読みやすい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>×</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>ホームズシリーズの人気短編作品の一つです。犯罪が絡むストーリーではありますが、残酷な描写もなく、ユーモラスな設定で読みやすいと思います。</p>
<p>推理もアクションも楽しめて、ホームズ作品の魅力が詰まった初心者にもおすすめの作品です。</p>
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</div>
<h2><span id="toc2">赤毛組合の簡単なあらすじ</span></h2>
<p>1890年のある日。ベイカー街を訪ねた<strong>ワトスン</strong>は、<strong>ホームズ</strong>とともに燃えるような赤毛をした依頼人の話を聞くことになります。</p>
<p>赤毛の紳士の名は<strong>ジェイベズ・ウィルスン</strong>。質屋を営む彼は赤毛の男だけが入会できる「赤毛組合」の面接に見事合格し、「大英百科事典を書き写すだけで週4ポンドももらえる」という、大変割のいい副業を得ていました。</p>
<p>ところが仕事を始めて2カ月ほどで組合は跡形もなく消滅。関係者とも連絡がつかなくなってしまいます。彼の依頼はこの不可思議な組合の正体の解明でした。</p>
<p>一通り話を聞いたホームズは、この組合事件に隠された謎を推理します。一見実害のない小さな詐欺に見える事件の影には果たして何があるのでしょうか。</p>
<p>ホームズの推理の鮮やかさと緊張感みなぎるアクションシーンが楽しめる、シリーズ初期の人気短編です。</p>
<h2><span id="toc3">こんな人に読んでほしい</span></h2>
<div class="blank-box">・ホームズシリーズ初心者である<br />
・ホームズの魅力が詰まった短編作品を読みたい<br />
・推理とアクションの両方を楽しみたい</div>
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          </div>

</div>

<h2><span id="toc4">赤毛組合の主人公・ホームズやフリーメイソン、シーンの解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">依頼人のすべてを見抜くホームズの観察力と知識</span></h3>
<p>物語の冒頭ではシリーズの名物である<strong>ホームズの人間観察</strong>を楽しめます。</p>
<p>このエピソードでは、突然事件に引っ張り込まれる形になったワトスン。しかし、ホームズの流儀にならって依頼人を観察し始めるものの、大した情報を得られません。</p>
<p>その様子を見ていたホームズは、さらっと依頼人の過去や近況を言い当てて、依頼人とワトスンを驚かせます。</p>
<p>ホームズは服装や小物、身体的特徴などを瞬時に観察し、一瞬のうちに推理を終えてしまいます。推理の結果だけを聞くと、まるで魔法のようで、依頼人は腰を抜かすというわけです。</p>
<p><a href="https://koten-ibuki.com/study-in-secret/">『緋色の研究』</a>でワトスンと初めて会ったときにもこの技を披露していましたね。</p>
<div class="blogcard-type bct-related">

<a href="https://koten-ibuki.com/study-in-secret/" title="『緋色の研究』のあらすじや感想、時代背景を解説！名探偵シャーロック・ホームズが誕生した記念すべき一作" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img loading="lazy" decoding="async" width="160" height="90" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-160x90.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-160x90.jpg 160w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-120x68.jpg 120w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-320x180.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">『緋色の研究』のあらすじや感想、時代背景を解説！名探偵シャーロック・ホームズが誕生した記念すべき一作</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">突然ですが、あなたは「名探偵」というキーワードで誰を思い浮かべますか？ 国内外のミステリ小説にはさまざまな名探偵が登場しますが、その中でもずば抜けて有名なのがシャーロック・ホームズでしょう。 ヴィクトリア朝のイギリスに誕生したこの名探偵は、...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://koten-ibuki.com" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">koten-ibuki.com</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.03.14</div></div></div></div></a>
</div>
<p>観察力ももちろんですが、観察した情報をもとに推理をするためには膨大な知識量が必要です。ホームズは自分の推理に必要な知識については、深く研究し、論文を書いたりもしていますので、その知識の深さは並々ならぬものがあります。</p>
<p><strong>観察力と知識の合わせ技である人間観察シーンは、シリーズの読みどころの一つ。</strong></p>
<p>ホームズの人並外れた能力を実感できるシーンですので、ぜひ注目して読んでみてください。</p>
<p>ちなみにどのように推理したかを説明すると、「なんだ。そんなことか。」と言われてしまいがちなので、ホームズとしてはあまり種明かしをしたくないようです。</p>
<h3><span id="toc6">ジェイベズ・ウィルスンも会員の「フリーメーソン」とは？</span></h3>
<p>作中の人間観察シーンにおいて、さりげなく登場する<strong>「フリーメーソン」</strong>。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2546 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/800px-Square_compasses.svg_.png" alt="フリーメイソン　ロゴ" width="474" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/800px-Square_compasses.svg_.png 800w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/800px-Square_compasses.svg_-284x300.png 284w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/800px-Square_compasses.svg_-768x810.png 768w" sizes="(max-width: 474px) 100vw, 474px" /><span class="quote">フリーメイソンのロゴ（出典：Wikipedia、作：MesserWoland）</span></p>
<p>海外の小説やミステリを読まれる方には、なじみのある名称かもしれません。また、ハローバイバイの関暁夫さんが「やりすぎ都市伝説」という番組で語っているのも有名ですね。</p>
<p>この「フリーメーソン」とは、16世紀ごろから存在する友愛結社のこと。結社の起源や変遷については諸説ありますが、現在では主に慈善活動に関わる団体のようです。しかし、一般的には「悪の秘密結社」というイメージを抱かれがちでもあります。</p>
<p>実は、この「フリーメイソン」という団体名は国ごとに違っており、この言葉自体は会員個人を指すもの。世界中に様々な形態で存在し、600万人を超える会員がいるという巨大結社で、作者のコナン・ドイルも会員だったことがあります。</p>
<p>今回フリーメーソンであることを示すシンボルとして登場しているのが、<strong>「曲がり尺とコンパスの記章（胸飾りピン）」</strong>です。依頼人であるジェイベズ・ウィルスンもこの結社の一員のようですが、規定に背いて胸飾りピンをつけっぱなしで歩き回っているなど、少々抜けていて心配になります。</p>
<p>ホームズも会員だったのではないかという説もあるそうですが、このエピソードで「所属されている組織の」と距離を置いた言い方をしていることから、会員ではなかったと考えられています。</p>
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</div>

<h3><span id="toc7">シリーズ中でもめずらしい「地下鉄」での移動シーン</span></h3>
<p>事件の調査に出かけるシーンで、シリーズでもめずらしい<strong>「地下鉄」を利用する</strong>という描写が登場しています。</p>
<p>1863年、馬車の渋滞による混雑緩和対策の一環で、ロンドンに地下鉄が開通。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2547 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/Constructing_the_Metropolitan_Railway.jpg" alt="世界最初の地下鉄　工事" width="730" height="503" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/Constructing_the_Metropolitan_Railway.jpg 720w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/07/Constructing_the_Metropolitan_Railway-300x207.jpg 300w" sizes="(max-width: 730px) 100vw, 730px" /><span class="quote">世界最初の地下鉄・メトロポリタン鉄道の建設工事（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>ベイカー街にも当時から地下鉄の駅があったので、ホームズたちはここから乗車し、オールダーズゲート駅（現バービカン駅）に向かったものと思われます。</p>
<p>ホームズシリーズの移動手段といえば馬車と汽車なので、今回の地下鉄での移動はかなり貴重な描写です。ヴィクトリア朝当時の地下鉄はどんな雰囲気だったのか、憧れを掻き立てられるシーンでもあります。</p>
<p>現在の地下鉄ベイカー街駅の各線のプラットフォームには、ホームズ関連の装飾などが施され、観光スポットとしても有名です。</p>
<p><strong>※作品の感想は次のページで！</strong></p>
]]></content:encoded>
					
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		<title>『吾輩は猫である』のあらすじや感想、内容の解説！「幸運を呼ぶ猫」をモデルに描いた漱石の出世作</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/iam-a-cat/</link>
					<comments>https://koten-ibuki.com/iam-a-cat/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[安恵あゆみ]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 14 May 2020 23:46:05 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[日本文学]]></category>
		<category><![CDATA[日本近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[長編小説]]></category>
		<category><![CDATA[夏目漱石]]></category>
		<category><![CDATA[青空文庫対応]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://koten-ibuki.com/?p=2483</guid>

					<description><![CDATA[「吾輩は猫である。名前はまだない。」 このあまりに有名な書き出しから始まる作品が、今回ご紹介する夏目漱石の小説『吾輩は猫である』です。 現代でも様々な作品のパロディになっているので、ほとんどの日本人がこのフレーズを知って [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong>「吾輩は猫である。名前はまだない。」</strong></p>
<p>このあまりに有名な書き出しから始まる作品が、今回ご紹介する夏目漱石の小説<a href="https://www.amazon.co.jp/%E5%90%BE%E8%BC%A9%E3%81%AF%E7%8C%AB%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B-%E5%A4%8F%E7%9B%AE-%E6%BC%B1%E7%9F%B3-ebook/dp/B009IXLHZ2/ref=as_li_ss_tl?_encoding=UTF8&amp;pd_rd_i=B009IXLHZ2&amp;pd_rd_r=73e4fc30-0c4d-4242-9476-d81828ba302e&amp;pd_rd_w=8yCV2&amp;pd_rd_wg=OOn0s&amp;pf_rd_p=bff3a3a6-0f6e-4187-bd60-25e75d4c1c8f&amp;pf_rd_r=QRJ1K65QDWWJQNRDR0C7&amp;psc=1&amp;refRID=QRJ1K65QDWWJQNRDR0C7&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=abd0450463b239a2c0042f9dd54ce2bf&amp;language=ja_JP">『吾輩は猫である』</a>です。</p>
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<p>現代でも様々な作品のパロディになっているので、ほとんどの日本人がこのフレーズを知っていることでしょう。</p>
<p>ですがこの先の文章はどう続くのか、この猫は何者なのか、答えられる人は中々いないのではないでしょうか？　口に出した際の語感の良さ、猫が「自らの名前はない」と大げさに語るギャップの面白さからなんとなく頭に残っているだけ、という人も多いと思います。</p>
<p>おおまかな内容は、当時（1905年）の世相を野良猫の目から描写するという皮肉たっぷりの物となっています。読み物としても非常に面白く、是非一読してみて欲しいのですが、いかんせん、言葉使いが古めかしく一見とっつき辛いように見えるかもしれません。</p>
<p>そこで今回は『吾輩は猫である』がより読みやすくなるように、簡単なあらすじと解説、そして私の感想などを書かせて頂きたいと思います。</p>

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          </div>

</div>

<h2><span id="toc1">吾輩は猫であるの作品情報</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/tag/natsume/">夏目漱石</a></td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1905年</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/category/jpn-lit/">日本</a></td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>日本語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td>長編小説</td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>読みやすい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div class="blogcard-type bct-related">

<a href="https://koten-ibuki.com/aozora/" title="無料のネット図書館・青空文庫はなぜ【最強】か：おすすめの利用方法や意外なデメリットを愛用者が解説" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img loading="lazy" decoding="async" width="160" height="90" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/sky-2009916_1280-160x90.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/sky-2009916_1280-160x90.jpg 160w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/sky-2009916_1280-120x68.jpg 120w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/sky-2009916_1280-320x180.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">無料のネット図書館・青空文庫はなぜ【最強】か：おすすめの利用方法や意外なデメリットを愛用者が解説</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">昨今、新型コロナの影響で各地の図書館や資料館が次々と休館に追い込まれています。 私も含め、読書好きの方は大いに頭を悩ませているのではないでしょうか。 しかし、どれだけコロナが流行しようとも「本を読みたい！」という気持ちが引っ込むわけではあり...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://koten-ibuki.com" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">koten-ibuki.com</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.03.12</div></div></div></div></a>

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</div>
<h2><span id="toc2">吾輩は猫であるのあらすじ</span></h2>
<p>自分のことを<strong>「吾輩」</strong>と呼び、教師をしている<strong>苦沙弥（クシャミ）先生</strong>に拾われた猫が主人公の物語。</p>
<p>先生の家には当時の知識人が多く訪れ、それそれの考えや取り止めのない会話をします。が、「吾輩」からすれば何処か他人事です。どこか天の声のような、俯瞰したような目線でそれぞれの会話に感想を述べていきます。</p>
<p>そんな風にして日常を過ごしていると、ある時資産家の妻である<strong>金田鼻子</strong>が先生の家を訪ねてきます。鼻子は自分の娘と<strong>寒山</strong>（先生の家に出入りしている理学者）を結婚させようと考えていたのですが、彼女の傲慢な態度に嫌気が差してしまいます。</p>
<p>先生たちの運命はどうなってしまうのか。また、猫はどのような視点で人間の暮らしを眺めるのでしょうか…。</p>
<h2><span id="toc3">こんな人に読んでほしい</span></h2>
<div class="blank-box">
<p>・とりあえず夏目漱石の本を読んでみたい人</p>
<p>・軽妙な会話の掛け合いが好きな人</p>
<p>・猫が好きな人</p>
</div>
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          </div>

</div>

<h2><span id="toc4">吾輩は猫であるの作者や猫、作品のモデルについて解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">意外とユーモラスな男だった夏目漱石</span></h3>
<p>『吾輩は猫である』は夏目漱石が初めて書いた小説です。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2484 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Natsume_Soseki_photo-750x1024.jpg" alt="夏目漱石　写真" width="366" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Natsume_Soseki_photo-750x1024.jpg 750w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Natsume_Soseki_photo-220x300.jpg 220w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Natsume_Soseki_photo-768x1048.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Natsume_Soseki_photo.jpg 800w" sizes="(max-width: 366px) 100vw, 366px" /><span class="quote">夏目漱石（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>意外かもしれませんが、漱石は大学教授という職業のストレスを発散させるために創作活動を始めました。</p>
<p>（彼の教師生活については、<a href="https://koten-ibuki.com/botchan/">『坊っちゃん』</a>の記事で詳しく解説しています。）</p>
<div class="blogcard-type bct-related">

<a href="https://koten-ibuki.com/botchan/" title="夏目漱石『坊っちゃん』のあらすじや感想、時代背景の解説！作者の教師経験を反映した「不完全」な勧善懲悪小説" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img loading="lazy" decoding="async" width="160" height="90" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/5e505f7cceebc0daaf573e73f43a9629-160x90.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/5e505f7cceebc0daaf573e73f43a9629-160x90.jpg 160w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/5e505f7cceebc0daaf573e73f43a9629-120x68.jpg 120w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/5e505f7cceebc0daaf573e73f43a9629-320x180.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">夏目漱石『坊っちゃん』のあらすじや感想、時代背景の解説！作者の教師経験を反映した「不完全」な勧善懲悪小説</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">どんなに国語が嫌いな人でも、夏目漱石の名前くらいは聞いたことがあるでしょう。教科書にも必ず掲載されている作家ですし、作品も一度は読んだことがあるのではないでしょうか。 しかし、いざ国語の授業で読まされてみたものの、そこから漱石の面白さに惹か...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://koten-ibuki.com" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">koten-ibuki.com</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.04.25</div></div></div></div></a>
</div>
<p>漱石がストレスを感じていたのは、授業が非常に固く生徒から人気がなかったという点以外に、本人の性格も原因のようです。ちょうど漱石が『吾輩は猫である』を創作していた時期の特徴的なエピソードがあったので、ここで紹介したいと思います。</p>
<p>東京帝国大学大学（今の東京大学）にて、いつものように授業をしていた漱石先生。突然授業を止め、教室の中央に向かいました。そして一人の学生に何かボソボソと呟いているようです。周りの学生が耳を澄ませて聞いてみると、こんなことを言っているようです。</p>
<p>「君は授業中にいつも手をふところにしまっている。授業中にそんな態度では先生に対して失礼ではないのか？」</p>
<p>と説教をしています。それでもその生徒黙ったまま、手を出そうとしませんでした。そんな態度を見ていた漱石は次第にヒートアップ。どんどん声が大きくなっていきます。</p>
<p>見かねた隣の学生が漱石に「先生、この人は元来手がないのです」と告げました。漱石はそれを聞くと顔を真っ赤にして、黙って教壇に戻りました。しばらく両手をついたまま黙っていましたが、すっと顔を上げてこう言いました。</p>
<p><strong>「いや、失礼した。でも、私も毎日無い知恵を絞って講義をしているのだから君だってたまには無い腕も出したら良いのでないかな？」</strong></p>
<p>と言うと、また授業を始めたそうです。</p>
<p>この話はたちまち話題となり新聞や雑誌で採り上げられました。見て分かるようにかなり不謹慎な内容なので、今で言うと炎上ですね（笑）。</p>
<p>ここでは漱石の発言の内容自体には触れることはしませんが、私はこの逸話を聞いたとき「非常に夏目漱石っぽい！」と感じました。</p>
<p>皆さん堅物のおっさんみたいな印象を持たれているかと思うのですが、私は過去の逸話や作品を読んでいると非常に喜怒哀楽がはっきりしていて、人間臭い人だと思います。そしてそのことに人並みに苦しんだり悩んだ文豪だと思います。</p>
<p>おそらく何人もいる学生の中で、こいつはずっと手を服の中に入れている…と気になっていたのでしょうね。よく人を見ています。ただでさえ生徒から授業がつまらないと言われていた過去があったので、その当て付けだろうか？いろいろ考えて、行動に出てしまったのでしょう。</p>
<p>なんとか流そうとする点も非常に人間臭いなと思うと同時に、よくそんな屁理屈が出てきたな！と頭の回転の速さに感心してしまいました。</p>
<p>後述するのですが、本作は当時の日本社会に対する不満や批判をただの猫の目線から描くことで、非常に読みやすくユーモラスな読み口となっています。</p>
<p>上記の発言は、本人なりにはその場の空気を溶かすためのユーモアだったのでしょうし（方向はだいぶズレていましたが）作中に通じる部分があるように思われます。</p>
<p>こんな精神状態の不安定さを創作活動としてぶつけ、生み出されたのが『吾輩は猫である』というわけです。</p>
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          </div>

</div>

<h3><span id="toc6">「吾輩」のモデルになった猫と仲が悪かった漱石の妻</span></h3>
<p>本作の主人公ともいえる名前のない猫<strong>「吾輩」</strong>ですが、モデルになった猫は実在します。</p>
<p>漱石の教師としての評判は初めこそ非常に悪いものでしたが、授業を進めていくうちに次第に人気が出てきて、授業の時間以外で学生が彼の自宅に集まるようになっていました。</p>
<p>ちょうど同じ頃、どこから来たのか漱石の家に黒い子猫が家を訪れるようになっていました。しかし、漱石の奥さんである鏡子夫人は大の猫嫌い。来るたびに追い払っていたのですが、何度追い払っても戻ってきてしまいます。</p>
<p>ついには漱石が「それなら内においてやれ」と言ったことから漱石の家に住むようになり、ついには小説の語り部として登場するようになったのでした。ここまで聞くと、夏目家での出来事を小説の中でなぞっているのが分かりますね。</p>
<p>猫が住み着いてからも鏡子夫人は相変わらず彼を嫌っていたのですが、両者の関係は意外なキッカケから改善されます。</p>
<h3><span id="toc7">「吾輩」は夏目家に幸運を呼んだ？</span></h3>
<p>ある日、あんま師（マッサージ師）の女性は家の猫を見て、鏡子夫人に対しこう言いました。</p>
<p><strong>「この猫のように黒い猫がいる家は福が舞い込みますよ」</strong></p>
<p>それを聞いた鏡子夫人は翌日から態度を急変させ、この猫に優しく接するようになったそうです。あんま師の営業トークに聞こえなくもないですが、アッサリ信じてしまう鏡子さんも大概でしょう（笑）。</p>
<p>ただ、実際に猫を主人公にした小説は瞬く間に高評価を得ました。この作品が売れる前の夏目家は生活に苦しんでおり、漱石は帝大の仕事以外にも明治大学予科の講師を兼任しているほど。</p>
<p>それが、この「福を呼ぶ猫」が家に来て物語の主役になった途端、漱石は経済的にも作家としても恵まれた地位を手にすることができたのです。</p>
<p>あんま師の予言は的中したとも考えられますね。</p>
<p>もっとも、漱石自身は幸運を呼ぶ前からこの猫を大切にしていたようで、猫が亡くなった際には<strong>「死亡通知」</strong>を作り、亡骸を家の庭に埋めたほどの溺愛ぶりでした。</p>
<p>ちなみに、猫以外の登場人物にもモデルがいると言われています。まず、苦沙弥先生は夏目漱石自身がモデルで、寒月は漱石の家に出入りしていた寺田寅彦（物理学者）がモデルとなっていたと言われています。</p>
<p>漱石は自らのよく知った人物をもとに様々なキャラクターを生み出し、創作に活かしていたのです。</p>
<p><strong>※続きは次のページへ！</strong></p>
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		<title>『モルグ街の殺人』のあらすじや感想、内容の解説！森鴎外も訳した世界初の推理小説！</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/murders-morgue/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[ぶんちん]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 03 May 2020 08:44:38 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[アメリカ近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[アメリカ文学]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[エドガー・アラン・ポー]]></category>
		<category><![CDATA[青空文庫対応]]></category>
		<category><![CDATA[推理小説]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
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					<description><![CDATA[コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズや、横溝正史の「金田一耕助」シリーズなど、名探偵が活躍するミステリ小説は世界中で生み出されてきました。 そして、現代も多くの作家の手によって、新たなミステリ小説が発表され [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>コナン・ドイルの<a href="https://koten-ibuki.com/study-in-secret/">「シャーロック・ホームズ」</a>シリーズや、横溝正史の<a href="https://koten-ibuki.com/inugami-family/">「金田一耕助」</a>シリーズなど、名探偵が活躍するミステリ小説は世界中で生み出されてきました。</p>
<p>そして、現代も多くの作家の手によって、新たなミステリ小説が発表され続けています。</p>
<p>しかし、皆さんはこうした作品につながる<strong>「世界で初めての推理小説」</strong>が何かを知っていますか？ 見解は諸説ありますが、一般的にはエドガー・アラン・ポーの推理小説<a href="https://www.amazon.co.jp/%E9%BB%92%E7%8C%AB%EF%BC%8F%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%82%B0%E8%A1%97%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E5%8F%A4%E5%85%B8%E6%96%B0%E8%A8%B3%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%9D%E3%83%BC-ebook/dp/B00H6XBIN2/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%82%B0%E8%A1%97%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA&amp;qid=1588381632&amp;s=digital-text&amp;sr=1-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=7d2c3187825ca8880dfbb763e1657dca&amp;language=ja_JP">『モルグ街の殺人』</a>がそれにあたるのではないかと言われています。</p>
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<p>今回の記事では、前半で<strong>本作の作者や作品の背景</strong>について、後半で<strong>ネタバレ有の考察</strong>をしていきます。</p>
<p>推理小説の元祖と言われる衝撃作について、少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。</p>

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          </div>

</div>

<h2><span id="toc1">『モルグ街の殺人』の作品情報</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td>エドガー・アラン・ポー</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1841年</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/category/usa-lit/">アメリカ</a></td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>英語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/tag/detective/">ミステリ</a></td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>読みにくい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>19世紀のパリを舞台にしたこの作品は、実はアメリカで生み出されました。</p>
<p>短編なので分量は多くありませんが、翻訳モノに慣れていてもやや読みにくさを感じる作品だと思います。</p>
<p>とはいえ日本でも様々な翻訳版が発表されていますので、読みやすいものを選んでチャレンジしてみてください。</p>
<div class="blogcard-type bct-related">

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</div>
<h2><span id="toc2">『モルグ街の殺人』の簡単なあらすじ</span></h2>
<p>舞台は19世紀のパリ。人口とともに犯罪も増加していたこの街で、語り手の<strong>「わたし」</strong>は<strong>C・オーギュスト・デュパン</strong>という人物に出会います。</p>
<p>デュパンは名家の出でしたが、家の没落によりギリギリの暮らしをしている人物でした。そんな彼にとって、唯一の贅沢は読書です。二人が意気投合したきっかけも、たまたま同じ希少な本を探していたという、読書家ならではの共通点があったためでした。</p>
<p>デュパンの語る家族の歴史や、膨大な読書量に育まれたであろう想像力に触れるうちに、すっかりデュパンに魅了された「わたし」。パリに滞在している間、彼と一緒に暮らすことを決めます。</p>
<p>インテリアの趣味もピッタリな二人は、人里離れたサンジェルマンの一角に建っていた空き家を彼ら好みに改装。世間からは距離を置き、半ば引きこもりの生活を楽しむのでした。</p>
<p>そんなとき、新聞である事件が報じられます。モルグ街のとある屋敷4階に暮らす母と娘が、凄惨な遺体となって発見されたというのです。娘は強い力で首を絞められ、暖炉の煙突にさかさまに押し込められており、母のほうは裏庭で原型をとどめないほど傷だらけの状態で亡くなっていました。</p>
<p>現場に集まった人々の証言によれば、現場に駆け付けるまでに2種類の叫び声を聞いたといいます。しかしその叫び声については、微妙に証言が食い違っていました。また母娘の部屋は密室状態であり、犯人の逃走経路なども謎に包まれたままです。</p>
<p>事件に興味を持ったデュパンは、独自に捜査に乗り出すことに。日ごろから彼の分析力に一目置いていた「わたし」も助手として捜査に同行します。2人はどんな真相にたどり着くのでしょうか。</p>
<p>名探偵オーギュスト・デュパンの初登場作品にして、数多あるミステリ小説の源流となった、世界初の推理小説として名高い短編ミステリです。</p>
<h2><span id="toc3">こんな人に読んでほしい</span></h2>
<div class="blank-box">
<p>・世界初の推理小説を読みたい</p>
<p>・背筋のゾクゾクするミステリ作品を楽しみたい</p>
<p>・古今東西のバディもののミステリ小説が好き</p>
</div>
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          </div>

</div>

<h2><span id="toc4">『モルグ街の殺人』の作者や探偵、後世の評価を解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">謎の死を遂げた作者の生涯</span></h3>
<p>1809年、<strong>エドガー・ポー</strong>は旅役者をしていた両親の家に生まれました。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2463 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Edgar_Allan_Poe_2.jpg" alt="エドガー・アラン・ポー　写真" width="397" height="497" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Edgar_Allan_Poe_2.jpg 800w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Edgar_Allan_Poe_2-240x300.jpg 240w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/800px-Edgar_Allan_Poe_2-768x962.jpg 768w" sizes="(max-width: 397px) 100vw, 397px" /><span class="quote">エドガー・アラン・ポー（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>しかし物心つく前に父は失踪し、人気女優だった母も病でこの世を去ってしまいます。</p>
<p>孤児となったポーは、裕福な商人ジョン・アラン夫妻に引き取られました。このときに「アラン」の名をもらい、エドガー・アラン・ポーと名乗るようになります。</p>
<p>1826年、彼は当時できたばかりのヴァージニア大学に進学しますが、賭博と酒による問題を起こし退学してしまいました。これにより養父アランからの信頼を失い、また同時期に婚約していた女性に裏切られ、手痛い失恋も経験することにも繋がります。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2464 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/Sara_Elmira_Royster.jpg" alt="サラ・エルマイヤ・ロイスター" width="224" height="299" /><span class="quote">ポーの婚約者であったサラ・エルマイヤ・ロースター（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>自活する道もなかったポーは、1827年に偽名で軍隊に入隊。このころ初めての詩集を匿名で出版しています。その後士官学校に進みますが、雰囲気に馴染めずすぐに退学します。その後は親戚を頼ってボルチモアに移り住み、筆一本で身を立てようと雑誌のコンテストに作品を応募していきます。</p>
<p>1835年、26歳で「サザン・リテラリー・メッセンジャー」という雑誌の編集に携わるようになり、幾分暮らし向きのよくなったポーは、翌1836年に13歳の従妹・ヴァージニアと結婚。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2465 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/VirginiaPoe.jpg" alt="ヴァージニア　イラスト" width="400" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/VirginiaPoe.jpg 506w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/VirginiaPoe-240x300.jpg 240w" sizes="(max-width: 400px) 100vw, 400px" /><span class="quote">ヴァージニア（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>しかしその翌年には雑誌社を辞め、ニューヨークへ移住しました。作家としてのチャンスをつかむべく奮闘しますが、しばらく貧しさに耐える生活が続きます。</p>
<p>30歳で「バートンズ・ジェントルマンズ・マガジン」の編集部に採用され、同年<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%AE%B6%E3%81%AE%E5%B4%A9%E5%A3%8A-%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3-%E3%83%9D%E3%83%BC-ebook/dp/B009IXNK8O/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;crid=33H81LO8CEPFX&amp;dchild=1&amp;keywords=%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%BC&amp;qid=1588381966&amp;sprefix=edoga-a,digital-text,355&amp;sr=8-4&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=6865c31b7ed9632d2844f31eb63b1923&amp;language=ja_JP">『アッシャー家の崩壊』</a>をはじめとした作品を同誌に掲載しています。</p>
<p>雑誌が「グレアムズ・マガジン」となってからは編集長に就任。発行部数の向上にも貢献しましたが、諸事情により33歳で退職することになりました。ちなみに『モルグ街の殺人』は、1941年にこの雑誌で発表された作品です。</p>
<p>34歳のころには暗号小説<a href="https://www.amazon.co.jp/%E9%BB%84%E9%87%91%E8%99%AB-%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3-%E3%83%9D%E3%83%BC-ebook/dp/B009AJIZU4/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;crid=33H81LO8CEPFX&amp;dchild=1&amp;keywords=%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%BC&amp;qid=1588381966&amp;sprefix=edoga-a,digital-text,355&amp;sr=8-13&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=32e119d470017ef24002a5ed19c1539a&amp;language=ja_JP">『黄金虫』</a>が雑誌のコンテストに入選。同作は大評判となりポーの文才が広く世間にも認められるようになります。</p>
<p>仕事が順調になる一方、結核を患っていた妻ヴァージニアが、５年にわたる闘病生活の末に24歳の若さで他界。最愛の妻を失い失意のポーでしたが、その失意を埋め合わせるかのように、次々と女性にアプローチをしていきます。</p>
<p>39歳から40歳にかけては、散文詩『ユリイカ』や詩『エルドラド』などの作品を発表し、念願の雑誌創刊準備も順調に進んでいきます。さらに、初恋の相手エルマイラとの再婚も決まり、ポーの人生はようやく上向き始めました。</p>
<p><strong>ところが、仕事のためにニューヨークに行く途中、立ち寄ったボルチモアでポーの人生は突然幕を下ろします。</strong>州議会選挙の投票所となった酒場で、泥酔状態で倒れているところを発見され、運ばれた病院で亡くなってしまうのです。享年は40歳でした。</p>
<p>亡くなるまでの経緯はいまだ謎に包まれており、その死にまつわる数々の物語が創作され続けています。</p>
<h3><span id="toc6">かなり貧乏で酒グセも悪かったポー</span></h3>
<p>ポーが遺した作品は小説・詩・評論など多岐にわたり、その多彩さからも才能豊かな作家であったことがうかがえます。</p>
<p>また自身の雑誌の創刊を夢に見続け、貧しさの中でも創作活動を続けたことからも文学の発展や、言葉による表現の可能性を信じ、そこに人生をささげた文学人であったことがわかるでしょう。</p>
<p><strong>しかし、一人の人間としては、生涯「お金」と「お酒」に悩まされ続けていました。</strong></p>
<p>編集者・小説家・詩人・批評家など華やかな肩書の多いポー。生前からヒット作も多く、「お金」に悩まされていたというのは少し意外に思えます。</p>
<p>が、当時は版権や著作権などの規定もいい加減で、作家の権利を守る仕組みがしっかりとできてはいなかった時代でした。そのため、ヒット作を生み出してもそれに見合った収入が得られなかったのです。</p>
<p>何度か安定した職も得ますが長くは続かず、少し余裕ができては極貧生活に陥るということを繰り返していました。<strong>病気の妻を床で寝かせるしかない</strong>という、超極貧の時代もあったとか。歴史上のダメな人あるあるですが、窮地に陥るたびに友人や知人が助けてくれていたようです。</p>
<p>若い頃に覚えたお酒については、気持ちが不安定になるたびに拠り所とするようになってしまいます。</p>
<p>業界内ではその能力を広く認められていたポーでしたが、飲酒についてはたびたび問題となり、それが職場を追われる一因となったこともありました。</p>
<p>しかし晩年には禁酒同盟に参加しており、お酒との付き合いをなんとか断とうとしていたことがうかがえます。</p>
<p>また詳しくは書きませんが、<strong>恋愛の面でも逸話がたくさん残っており</strong>、こうした人間味あふれる点を知るとはるか昔の大作家にも親しみを覚えます。人間ポーを知ることで彼の作品の受け止め方にも違いが出てくることでしょう。</p>
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</div>

<h3><span id="toc7">後世に大きな影響を与えた世界初の推理小説</span></h3>
<p>『モルグ街の殺人』は世界で初めての推理小説として、その名を広く知られる作品です。デュパンシリーズは全3作と少ないのですが、作中の設定などはのちのミステリ小説でも応用され、今日に至るまで多大な影響を残しています。</p>
<p>一番わかりやすいのはキャラクター設定でしょうか。鋭い観察力と洞察力で事件を解決していく<strong>「名探偵」と、その活躍を間近で見ている「助手役の友人」を中心とする設定</strong>は、コナン・ドイルのホームズシリーズやアガサ・クリスティーのポアロシリーズをはじめ、多くの作家によって取り入れられています。</p>
<div class="blogcard-type bct-related">

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</div>
<p>特に、ホームズはデュパンと性格も似ていますし、ワトソンとの関係性も、デュパンと「わたし」に近いものを感じます。</p>
<p>ちなみに、助手が事件を記録し、物語の語り手となるパターンを通称<strong>「ワトソン・システム」</strong>と呼びます。そのため一見ホームズシリーズが起源のように思われますが、実はポーが最初に取り入れていた手法でした。</p>
<p>また名探偵モノによく見られる<strong>「有能な名探偵と無能な警察」</strong>という設定も、ポーがデュパンシリーズで最初に取り入れています。デュパンは警察の上層部にコネがあるなど、警察との関係も深いようですが、警察そのものの捜査能力についてははっきりと疑問を口にしています。</p>
<p>この対立構造は、先に挙げたホームズシリーズ、ポアロシリーズ以外でも、後世の作品で踏襲されており、警察内での一匹狼が主人公のハードボイルド小説などでも応用されています。</p>
<p>初めての推理小説という新たなジャンルを作り出したポー。その才能と功績は、当時から各メディアで称賛されましたが、ポー自身は<strong>「ただ目新しいものだから注目されただけ」</strong>と一歩引いた見方をしています。</p>
<p>それでも現代において、古今東西のミステリ小説を楽しんでいる読者は皆、ポーに感謝しているはず。もちろんわたしもその1人です。</p>
<h3><span id="toc8">世界初の名探偵「オーギュスト・デュパン」</span></h3>
<p>世界初の名探偵<strong>「オーギュスト・デュパン」</strong>。先にも触れたように、コナン・ドイルの生み出した名探偵シャーロック・ホームズの設定にも大きな影響を与えたキャラクターです。ただ、ホームズ自身は<a href="https://koten-ibuki.com/study-in-secret/">『緋色の研究』</a>の中で、「デュパンと一緒にしないで」と怒っているのですが。</p>
<div class="blogcard-type bct-related">

<a href="https://koten-ibuki.com/study-in-secret/" title="『緋色の研究』のあらすじや感想、時代背景を解説！名探偵シャーロック・ホームズが誕生した記念すべき一作" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img loading="lazy" decoding="async" width="160" height="90" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-160x90.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-160x90.jpg 160w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-120x68.jpg 120w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-320x180.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">『緋色の研究』のあらすじや感想、時代背景を解説！名探偵シャーロック・ホームズが誕生した記念すべき一作</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">突然ですが、あなたは「名探偵」というキーワードで誰を思い浮かべますか？ 国内外のミステリ小説にはさまざまな名探偵が登場しますが、その中でもずば抜けて有名なのがシャーロック・ホームズでしょう。 ヴィクトリア朝のイギリスに誕生したこの名探偵は、...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://koten-ibuki.com" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">koten-ibuki.com</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.03.14</div></div></div></div></a>
</div>
<p>デュパンは名家の出でありながら、わずかな収入でギリギリの生活を送っている貧しい青年です。「お金がないならパリではなく田舎に住んだほうがいいのでは？」と思ってしまいますが、何を隠そう彼は<strong>読書家</strong>。</p>
<p>今のようにどこでも本が読める時代ではなかったので、19世紀のパリは多くの書籍に触れられる場所という代えがたい価値がありました。それはもうパリに住むしかないですね（ちなみに「わたし」との出会いも図書館（翻訳によっては貸本屋）でした）</p>
<p>彼の生活スタイルについても本編では少し触れられています。彼は<strong>明るい時間帯よりも夜を好む性質だった</strong>らしく、「わたし」との暮らしでも明るいうちは鎧戸をピッタリ閉めてろうそくを灯し、家の中を夜のように演出して暮らしていました。</p>
<p>デュパンにすっかり魅了されている「わたし」も、その暮らしを一緒に楽しんでいる様子がなんとも微笑ましいです。夜にイキイキするというのは、なんとなくドラキュラを連想させ、ドキドキする怪しげな雰囲気を漂わせています。</p>
<p>彼は「他者とあまり交わらず、貧しい暮らしをする本の虫」という一見陰気なキャラクターではありますが、ひとたび事件に遭遇すると、その観察力と推理力を発揮して鮮やかに事件を解決に導きます。</p>
<p>犯罪現場でイキイキと動き回る様子は、普段の生活からすると別人のよう。特徴的なキャラクターが際立つ、そのあたりのギャップも読みどころと言えるでしょう。</p>
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          </div>

</div>

<h3><span id="toc9">日本でも古くから親しまれた翻訳小説だった</span></h3>
<p>『モルグ街の殺人』が日本で初めて紹介されたのは1887年。<strong>『ルーモルグの人殺し』</strong>というタイトルで新聞連載されました。翻訳を手掛けたのは小説家の饗庭篁村（あえば・こうそん）という人物です。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class=" wp-image-2466 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/375px-Aeba_Koson.jpg" alt="饗庭篁村　写真" width="354" height="499" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/375px-Aeba_Koson.jpg 375w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/05/375px-Aeba_Koson-213x300.jpg 213w" sizes="(max-width: 354px) 100vw, 354px" /><span class="quote">饗庭篁村（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>彼は直接原文を読んだのではなく、友人による口述の内容をもとに作品を仕上げたということで、翻訳というよりは翻案であったとも言われています。その後もさまざまな翻訳版が出され、あの<a href="https://koten-ibuki.com/tag/moriougai/">森鴎外</a>もドイツ語版からの翻訳に挑戦しています。</p>
<p>どこか怪しげなゴシックホラー的な要素はありつつも、名探偵が事実に基づき論理的に謎を解明するというスタイルは、日本でも多くのファンの心を掴みました。</p>
<p>日本でのミステリ小説の発展に尽力し、エドガー・アラン・ポーの名前をもとに自身のペンネームを考えた江戸川乱歩は、<strong>「ポーが探偵小説を発明していなければのちの推理小説はまったく違ったものになっていた」</strong>とその功績をたたえています。</p>
<p>現代では全文を翻訳した完全版がいくつも発表されていますが、初期の翻訳版では冒頭部分を大胆にカットしたものが目立ちます。</p>
<p>作品を読んでいただければわかりますが、冒頭は語り手である「わたし」の持論が展開され、しばらくデュパンも登場しません。ミステリ作品として全体のバランスを見ても、必須ではないという訳者側の判断があったものと思われます。</p>
<p>ちなみにこの冒頭部分は、初読だとなかなか読むのが苦しい部分になると思います。</p>
<p><strong>※続きは次のページへ！</strong></p>
]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>夏目漱石『坊っちゃん』のあらすじや感想、時代背景の解説！作者の教師経験を反映した「不完全」な勧善懲悪小説</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/botchan/</link>
					<comments>https://koten-ibuki.com/botchan/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[安恵あゆみ]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 25 Apr 2020 07:56:11 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[日本文学]]></category>
		<category><![CDATA[日本近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[夏目漱石]]></category>
		<category><![CDATA[青空文庫対応]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
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					<description><![CDATA[どんなに国語が嫌いな人でも、夏目漱石の名前くらいは聞いたことがあるでしょう。教科書にも必ず掲載されている作家ですし、作品も一度は読んだことがあるのではないでしょうか。 しかし、いざ国語の授業で読まされてみたものの、そこか [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>どんなに国語が嫌いな人でも、夏目漱石の名前くらいは聞いたことがあるでしょう。教科書にも必ず掲載されている作家ですし、作品も一度は読んだことがあるのではないでしょうか。</p>
<p>しかし、いざ国語の授業で読まされてみたものの、そこから漱石の面白さに惹かれてファンになったという方はそれほど多くないと思います。</p>
<p><strong>「漱石を読むより、現代のトレンド小説を読んだほうが楽しいな…。」</strong>大きい声では言えないけど、こんな風に思った方もいるでしょう。</p>
<p>ところが、漱石が生きた時代の価値観や社会が理解できるようになると、また違った姿が見えてきます。</p>
<p>そこで、今回は漱石の作品の中でも読解しやすい<a href="https://www.amazon.co.jp/%E5%9D%8A%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93-%E5%A4%8F%E7%9B%AE-%E6%BC%B1%E7%9F%B3-ebook/dp/B009IXJVVO/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E5%9D%8A%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93&amp;qid=1587671896&amp;sr=8-6&amp;linkCode=ll1&amp;tag=hayato72105-22&amp;linkId=f3c748b7a98a31f128f2ef753caf435b&amp;language=ja_JP">『坊っちゃん』</a>を、漱石の簡単な半生の紹介と、今の感覚だと少し理解しづらい部分の説明を交えつつ解説したいと思います。</p>
<div class="product-item-box amazon-item-box no-icon product-item-error cf"><div><a rel="nofollow noopener" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009IXJVVO/koten-ibuki-22/" target="_blank">Amazonで詳細を見る</a></div></div>

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          </div>

</div>

<h2><span id="toc1">坊っちゃんの作品情報</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td>夏目漱石</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1906年</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/category/jpn-lit/">日本</a></td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>日本語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td>中編小説</td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>読みやすい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div class="blogcard-type bct-related">

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</div>
<h2><span id="toc2">坊っちゃんの簡単なあらすじ</span></h2>
<p>江戸っ子として育った<strong>坊っちゃん</strong>は、荒々しいな性格が災いし両親や兄から煙たがられていました。その反面、カラッとした真っ直ぐな性格の奉公人・<strong>清</strong>だけは、坊っちゃんを優しく見守ってくれます。</p>
<p>両親が亡くなった後は、兄から手切金として六百円を受け取り物理学校で教育を受けました。卒業後は四国の中学校に教師として赴任することになった坊っちゃん。</p>
<p>彼は赴任先の中学校で出会った教員にあだ名をつけていきます。とくにキザな教頭には<strong>赤シャツ</strong>というあだ名をつけ、心の中で女のような優しい声を出すやつだと思いました。</p>
<p>ここから、坊っちゃんと赤シャツを含む教員や生徒との間の、愉快な物語が幕を開けるのでした——。</p>
<h2><span id="toc3">こんなひとに読んでほしい</span></h2>
<div class="blank-box">
<p>・とりあえず夏目漱石を読んでみたい</p>
<p>・さっぱりした性格の主人公の物語を読みたい</p>
<p>・明治時代の日本の様子を知りたい</p>
</div>
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</div>

<h2><span id="toc4">坊っちゃんの作者や舞台、時代背景の解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">作品の舞台は愛媛県松山市で、漱石自身の教師経験を反映している</span></h3>
<p>本作は、作者である夏目漱石自身の<strong>教師経験をもとに執筆された私小説的な側面が強い作品</strong>です。したがって、本作を理解するためにはまず彼の半生を理解しなくてはなりません。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2434 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Natsume_Soseki_an_English_teacher_at_Matsuyama_Middle_School-729x1024.jpg" alt="夏目漱石　写真" width="356" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Natsume_Soseki_an_English_teacher_at_Matsuyama_Middle_School-729x1024.jpg 729w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Natsume_Soseki_an_English_teacher_at_Matsuyama_Middle_School-214x300.jpg 214w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Natsume_Soseki_an_English_teacher_at_Matsuyama_Middle_School-768x1078.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Natsume_Soseki_an_English_teacher_at_Matsuyama_Middle_School.jpg 800w" sizes="(max-width: 356px) 100vw, 356px" /><span class="quote">中学教師時代の夏目漱石（出典：国立国会図書館デジタルコレクション）</span></p>
<p>漱石は、現在の東京神楽坂から高田馬場一帯を取り仕切った超名家・夏目家で8番目の子どもとして生まれました。</p>
<p>もともと彼は漢文と英語が非常に得意で、1890年に帝国大学（現在の東京大学）の英文科に入学します。2年次には特待生にも選ばれており、優秀な学生が揃う帝大でも一目置かれる存在でした。</p>
<p>大学卒業後は、様々な学校で英語教師の職を経験します。高等師範学校（現在の筑波大学）や、愛媛県尋常中学校（現在の東松山高校）、熊本の第五高等学校（現在の熊本大学）などなど…。</p>
<p>そして、この愛媛県尋常中学校での経験をもとに執筆したと思われるのが本作。それゆえに現代でも松山では本作が愛されており、市内の球場には<strong>「坊っちゃんスタジアム」</strong>と名付けられているほど。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="alignnone wp-image-2435" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Botchan_Stadium20160416_01-1024x768.jpg" alt="坊っちゃんスタジアム　外観" width="803" height="603" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Botchan_Stadium20160416_01-1024x768.jpg 1024w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Botchan_Stadium20160416_01-300x225.jpg 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Botchan_Stadium20160416_01-768x576.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Botchan_Stadium20160416_01.jpg 1280w" sizes="(max-width: 803px) 100vw, 803px" /><br />
<span class="quote">坊っちゃんスタジアム（出典：Wikipedia、撮影者：Sunport1216）</span></p>
<p>以上のように教師をしていた漱石ですが、1900年に文部省から第一回給費留学生としてイギリス留学を命じられます。これは、政府から「あなたは優秀なので2年間イギリスで英語を研究してきてください」と言われたことを意味しました。</p>
<p>この経歴だけを見ると、単なる優秀な教師にしか見えません。しかし、言うまでもなく現代に伝わっているのは「小説家としての夏目漱石」であり、教師としての彼ではありません。</p>
<p>しかし、彼は一体なぜ小説家になったのでしょうか？</p>
<h3><span id="toc6">苦難の時期に「気を紛らわすため」小説を書き始めた</span></h3>
<p>イギリス留学中、漱石は<strong>精神を病んでしまいます</strong>。せっかく友人が訪ねてきても、部屋にこもりっきりで毎日泣いてばかりいるような状況でした。単なるホームシックというよりは、自分が学んできた漢文と英文学のギャップに苦しんだことや、生活費にも困るようなみじめな暮らしが堪えたのだと考えられています。</p>
<p>知人には精神病を疑われるような状況でしたが、なんとか留学を終えて日本に帰ってきた漱石。帰国しても精神自体はガタガタでしたが、そんな心模様と反比例するように、学者としての名声はうなぎ上り。</p>
<p>政府の奨学生として英語を学んだという事実に加え、学者の友人が口利きをしてくれたため、帰国したばかりにも関わらず東京帝国大学講師という職が手に入ります。</p>
<p>ですが、この仕事が漱石の精神状態をどん底まで突き落とします。漱石は英文科生向けの講義を担当することになりましたが、<strong>学生からの評判が超サイアクだった</strong>のです。</p>
<p>「国語好きなら喉から手が出るほど聞きたいハズの漱石の授業が、なぜ嫌われたの？」</p>
<p>そう思う方も多いでしょう。ここには、漱石と彼の前任者として講義を担当していたとある人物との講義における特徴が関係していました。</p>
<p>漱石の前に授業を担当していたのは、<a href="https://www.amazon.co.jp/%E6%80%AA%E8%AB%87%E3%83%BB%E5%A5%87%E8%AB%87-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E5%AD%A6%E8%A1%93%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B0%8F%E6%B3%89-%E5%85%AB%E9%9B%B2/dp/406158930X/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;crid=31HAVMMOXBC67&amp;dchild=1&amp;keywords=%E6%80%AA%E8%AB%87+%E5%B0%8F%E6%B3%89%E5%85%AB%E9%9B%B2&amp;qid=1587672833&amp;s=books&amp;sprefix=%E6%80%AA%E8%AB%87+,stripbooks,292&amp;sr=1-2&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=b9884924e39a5bb20bfb3b81426497a8&amp;language=ja_JP">『怪談』</a>をはじめとする説話作家として、また西洋人による日本文化研究の第一人者として知られる<strong>ラフカディオ・ハーン（小泉八雲）</strong>。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2436 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Lafcadio_Hearn_portrait.jpg" alt="ラフカディオ・ハーン　写真" width="349" height="502" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Lafcadio_Hearn_portrait.jpg 712w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Lafcadio_Hearn_portrait-209x300.jpg 209w" sizes="(max-width: 349px) 100vw, 349px" /><span class="quote">ラフカディオ・ハーン（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>彼の授業は大変面白かったようで、学生から絶大な人気を誇っていました。</p>
<p>しかし、その反面漱石の授業はどちらかというとお堅い授業だったようで、「以前より授業がつまらなくなった」と学生たちの間で大不評に。この評価で、元々壊れかかっていた精神に大きな大ダメージを受けてしまいました。</p>
<p>意気揚々と好条件の新しい職場に出向いていったところ、前任者と比較されへこむ…。転職をしたことがあれば、同じような経験をした方もいるかもしれません。</p>
<p>そんな漱石を見かねたのが、俳句雑誌『ホトトギス』の刊行で有名な詩人の高浜虚子でした。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="size-full wp-image-2437 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Kyoshi_Takahama.jpg" alt="高浜虚子 写真" width="350" height="396" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Kyoshi_Takahama.jpg 350w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Kyoshi_Takahama-265x300.jpg 265w" sizes="(max-width: 350px) 100vw, 350px" /><span class="quote">高浜虚子（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>漱石と友人だった虚子は、<strong>「お前の姿は見ていられないから、せめて文章を書いて気を紛らわしたらどうか？」</strong>と薦めます。反戦的な立場をとっていた漱石は当時日露戦争の勃発で精神を擦り減らしていたこともあり、この言葉に触発されて執筆活動を始めました。</p>
<p>そして最初に世に送り出した小説が、あの有名な『吾輩は猫である』だったのです。</p>
<p>もしも漱石が強靭メンタルの持ち主で、仕事で悩みなくサクッと授業をこなしていたら日本の大文豪夏目漱石は誕生していなかったかも…。</p>
<p>そう考えると、漱石の授業は人気が出なくて良かったとも言えますね。</p>
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<h3><span id="toc7">赤シャツの態度には、当時の学歴観が反映されている</span></h3>
<p>『坊っちゃん』を読んでいて、「赤シャツって何だかすごいキザで偉そう…。主人公を陥れようとしたり。ただの中学校の教頭なのに…。」と疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。</p>
<p>確かに、今の感覚からすると赤シャツの行き過ぎた意地悪は理解できないかもしれません。</p>
<p>しかし、当時の彼の立場を理解すると、<strong>「なぜ彼があんなに自信満々で、かつ人を陥れようとするのか」</strong>が少しだけ共感できるようになります。</p>
<p>作品が書かれた明治時代では、政府があらゆる面で西洋の強国に早く追いつかなくては…と考えていました。今までのように武士の子供は武士、農民の子供は農民と、国民一人ひとりの能力を無視して仕事を割り振っているようでは、経済も文化も効率よく成長などしていけません。</p>
<p>そのために、明治政府は「士農工商」という身分制度を廃止し、人々は職業を選び取る自由を得たのです。このあたりは、歴史の教科書でもお馴染みですね。</p>
<p>結果として、今でいうところの「職業選択の自由」がある程度認められるようになり、当時を生きた人たちは良くも悪くも人生に敷かれたレールを失いました。</p>
<p>そして、世間は強烈な<strong>「競争社会」</strong>に生まれ変わりました。世はまさに自分の実力で成功を勝ち取る<strong>「立身出世時代」</strong>になっていったのです。例えば、1908年に書かれた<a href="https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/848333">『家庭の研究』</a>（三輪田元道著）という本には「優勝劣敗、生存競争、及び適者独栄とは社会の状況を説明するものなり」と書かれています。</p>
<p>そんな時代、分かりやすく成功を約束してくれたのが、今でも重要ステータスとされる<strong>「学歴」</strong>でした。「え、こんな時代から学歴って重宝されてたの？」と思われるかもしれませんが、むしろ当時の学歴は、今よりもっと重要なもの。</p>
<p>今も、「学籍フィルター」なんて言葉がありますが、<strong>明治時代の学歴差別の方が今よりもよっぽど酷く</strong>、大手企業が特定の大学卒業者を優遇するのは当たり前。給与も出身大学によって違うことが当たり前だったのです。</p>
<p>作中、坊っちゃんの兄は</p>
<blockquote><p>「九州へ立つ二日前兄が下宿へ来て金を六百円出してこれを資本にして商買をするなり、学資にして勉強をするなり、どうでも随意に使うがいい、その代りあとは構わないと云った。」</p></blockquote>
<p>と言ったわけですが、学歴が必要なこれからの時代を生き抜くための手段を既に見抜いていたのでしょう。</p>
<p>初めは元「武士」の子供が大学に進学するものとされていたのですが、次第に元「平民」にも進学の熱が広がり、1890年ごろには帝大卒業者の40%以上が平民の出になっていました。</p>
<p>『坊っちゃん』は作品中で日露戦争の話題が出ているので、少なくとも1904年以降の話です。この頃は大学進学についても理解が広まり、より一般的なものになっていたでしょう。中でも東京帝国大学を卒業することは（まあ今でもそうですが）超難関の競争を勝ち抜いた将来有望エリートとしてもてはやされたのです。</p>
<p>ここで赤シャツの学歴ですが、坊っちゃんの学校でただ一人の<strong>帝大卒業者</strong>です。わざわざ教員室で『帝国文学』という雑誌読んでいたかと思いますが、これは東京帝国大学の関係者が創刊する雑誌。<br />
これを見せびらかすように読んでいるところから、<strong>赤シャツは自らの学歴に大きな自信を持っていた</strong>のが推察されます。</p>
<p>もちろん周囲も彼をちやほやともてはやしたのでしょう。事実、当時の中学校教師の中で、帝国大学出身者の割合は6.4%程度。彼がエリート教員だったのは間違いありません。</p>
<p>地方の中学校とはいえ教頭、このままいけば校長、今より権力をふるえる。もちろん帝国大学出身の自分の経歴が傷つくことはあってはならぬ。</p>
<p>そんな時、東京からふと現れた坊っちゃんを警戒し、作中のようないじめを仕掛けてきたのでしょう。彼には権力が通じなかったのですね。</p>
<p>赤シャツは嫌なヤツには間違いないですが、彼なりの理屈があってあんな意地悪をしていたのでしょう。</p>
<p><strong>※続きは次のページへ！</strong></p>
]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>『オリエント急行の殺人』のあらすじや感想・登場人物の解説（ネタバレ有）！トラベルミステリの傑作として知られる小説！</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/orient-express/</link>
					<comments>https://koten-ibuki.com/orient-express/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[ぶんちん]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 18 Apr 2020 07:39:45 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[イギリス近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[イギリス文学]]></category>
		<category><![CDATA[アガサ・クリスティー]]></category>
		<category><![CDATA[推理小説]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://koten-ibuki.com/?p=2413</guid>

					<description><![CDATA[旅に出たいと思っても、すぐには難しいことってありますよね？ まさに今、新型コロナウイルスの流行で歯がゆい思いをしている方も多いのではないでしょうか。 そんなときは「旅気分を味わえる文学作品を手にとる」という方法でストレス [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>旅に出たいと思っても、すぐには難しいことってありますよね？ まさに今、新型コロナウイルスの流行で歯がゆい思いをしている方も多いのではないでしょうか。</p>
<p>そんなときは「旅気分を味わえる文学作品を手にとる」という方法でストレスの発散をオススメします。</p>
<p>ミステリ作品には、列車や客船を舞台にした<strong>「トラベルミステリ」</strong>と呼ばれるジャンルがあり、現代まで古今東西の作家たちの手によって、様々なタイプの作品が生み出されてきました。</p>
<p>言わずと知れたミステリの女王アガサ・クリスティーも、クルーズ船で事件に遭遇するものや航空機の中での殺人など、多くのトラベルミステリを書いています。</p>
<p>そんな中でも今回は、クリスティーのトラベルミステリの筆頭<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E6%80%A5%E8%A1%8C%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC-ebook/dp/B009DEMNUY/ref=as_li_ss_tl?_encoding=UTF8&amp;qid=1587119450&amp;sr=8-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=ee97aa250687c5d61775f686c1856936&amp;language=ja_JP">『オリエント急行の殺人』</a>を取り上げます。</p>
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<p>前半で<strong>あらすじや作品の背景</strong>について紹介し、後半では<strong>ネタバレありの感想</strong>を述べていきます。</p>
<p>作品を楽しむヒントにしていただければ嬉しいです！</p>

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          </div>

</div>

<h2><span id="toc1">『オリエント急行の殺人』の作品紹介</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/agatha-christie/">アガサ・クリスティー</a></td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1934年</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/category/eng-lit/">イギリス</a></td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>英語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/tag/detective/">ミステリ</a></td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>読みやすい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>×</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>名探偵エルキュール・ポアロシリーズの第8作目にして、クリスティー作品の中でも特に有名な作品の一つです。</p>
<p>登場人物が多いのではじめはやや混乱するかもしれません。が、章立ても工夫されていますし、翻訳も読みやすいものが多く出ているので、海外産の翻訳ミステリが苦手な方でも読みやすいと思います。</p>
<h2><span id="toc2">『オリエント急行の殺人』の簡単なあらすじ</span></h2>
<p>シリアで重大事件を解決に導いたのち、イスタンブールで短い休暇を取ることにした名探偵<strong>エルキュール・ポアロ</strong>。</p>
<p>しかし、電報の呼び出しで急遽イギリスへ戻らなくてはいけなくなってしまいます。イスタンブールからカレーに向かう、シンプロン・オリエント急行の一等寝台を予約しようとするポアロでしたが、普段なら閑散期である真冬にも関わらず寝台車は予約でいっぱい。</p>
<p>それでも、偶然再会した鉄道会社の重役であり旧友・<strong>ブーク</strong>の計らいで、なんとか乗車できることになりました。乗り込んだ寝台列車はポアロを含め、国籍も階級も年齢もバラバラの14人の乗客たちでにぎわっています。</p>
<p>その乗客の一人である富豪の<strong>ラチェット</strong>から、突然ボディーガードを依頼されるポアロ。しかし、ラチェットのどことなく不穏な人相に嫌悪感を覚え、きっぱりとその依頼を断るのでした。</p>
<p>翌朝、車掌によって客室でラチェットが死んでいるのが発見されます。遺体には深さも大きさも刺した角度もバラバラの12の刺し傷が残っていました。</p>
<p>雪だまりに突っ込み立ち往生している列車の車内で起こってしまった殺人事件。ポアロはブークからの依頼で捜査の陣頭指揮を執ることになります。助手はブークと偶然乗り合わせたギリシャ人医師の<strong>コンスタンティン</strong>。3人は現場検証や乗客たちの事情聴取を進め、事件当夜何が起こっていたのかを明らかにしていきます。</p>
<p>オリエントとヨーロッパを結ぶ豪華列車オリエント急行を舞台にした、名作クローズドサークルミステリです。</p>
<h2><span id="toc3">こんな人に読んでほしい！</span></h2>
<div class="blank-box">
<p>・トラベルミステリを読んでみたい</p>
<p>・自分でも推理しながら本格ミステリを楽しみたい</p>
<p>・古き良き列車の旅の気分を味わいたい</p>
</div>
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</div>

<h2><span id="toc4">『オリエント急行の殺人』の舞台や主人公、構成の解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">実在した豪華列車「オリエント急行」が舞台</span></h3>
<p>事件の舞台であり、タイトルにもなっている<strong>「オリエント急行」</strong>は、1883年に誕生した実在の列車です。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="alignnone size-full wp-image-2414" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Orientexpress1883.jpg" alt="オリエント急行　写真" width="994" height="311" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Orientexpress1883.jpg 994w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Orientexpress1883-300x94.jpg 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Orientexpress1883-768x240.jpg 768w" sizes="(max-width: 994px) 100vw, 994px" /><br />
<span class="quote">創業当時のオリエント急行（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>トルコのコンスタンティノープル（イスタンブール）とフランスを結ぶ長距離直通列車であり、運行開始当初からその豪華絢爛さで注目を集めました。</p>
<p>第一次世界大戦後から第二次世界大戦開戦までの間がオリエント急行の最盛期と言われ、乗客には王侯貴族をはじめとして各界の著名な人物もその名を連ねました。</p>
<p>クリスティーも離婚直後の1928年に初めて乗車。中東への旅を楽しみ、作品のインスピレーションを得たと言われています。ちなみに、ポアロがシリアからイスタンブールに移動する際に乗車したタウルス急行や、イスタンブールのトカトリアン・ホテルも当時実在しており、彼女も中東旅行の際に利用したと自伝に書かれています。</p>
<p>この旅をきっかけに中東に親しむようになったクリスティー。そんな彼女にとって2番目の夫・マックスとの出会いもイスタンブールでした。再婚後にも考古学者の夫の仕事に同行して中東に出かけており、<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%A4%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC-ebook/dp/B009DEMDZY/ref=as_li_ss_tl?_encoding=UTF8&amp;qid=&amp;sr=&amp;linkCode=ll1&amp;tag=hayato72105-22&amp;linkId=ba7f9d93cf6eadaaedddb93bc3f64caf&amp;language=ja_JP">『メソポタミアの殺人』</a>や<a href="https://www.amazon.co.jp/%E6%98%A5%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%A6%E5%90%9B%E3%82%92%E9%9B%A2%E3%82%8C-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC-ebook/dp/B009DEMMAU/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E6%98%A5%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%A6%E5%90%9B%E3%82%92%E9%9B%A2%E3%82%8C&amp;qid=1587117937&amp;s=digital-text&amp;sr=1-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=hayato72105-22&amp;linkId=75701ae1979f2517720c22be268df8e1&amp;language=ja_JP">『春にして君を離れ』</a>など、中東が舞台の名作も数多く生み出しています。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2416 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Agatha_Christie_with_Max_Mallowan_in_Tell_Halaf_1930s.jpg" alt="クリスティー　マックス　写真" width="520" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Agatha_Christie_with_Max_Mallowan_in_Tell_Halaf_1930s.jpg 400w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/Agatha_Christie_with_Max_Mallowan_in_Tell_Halaf_1930s-300x288.jpg 300w" sizes="(max-width: 520px) 100vw, 520px" /><span class="quote">クリスティーとマックス（出典：Wikipedia）</span></p>
<p><strong>クリスティーにとってオリエント急行は人生が変わるきっかけであり、また作家人生に大きな影響を与えた列車といえるでしょう。</strong></p>
<p>作中にも登場し、実際にオリエント急行を運行していた「国際寝台車会社（ワゴン・リ社）」は、ベルギー人の実業家が興した会社です。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="alignnone wp-image-2417" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1280px-CIWL-Logo-bleu-1024x682.jpg" alt="ワゴン・リ社　マーク" width="750" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1280px-CIWL-Logo-bleu-1024x682.jpg 1024w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1280px-CIWL-Logo-bleu-300x200.jpg 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1280px-CIWL-Logo-bleu-768x512.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1280px-CIWL-Logo-bleu.jpg 1280w" sizes="(max-width: 750px) 100vw, 750px" /><br />
<span class="quote">ワゴン・リ社のマーク（出典：Wikipedia、撮影者：Tamorlan）</span></p>
<p>ベルギー人のポアロの旧友であり、助手役を務めるブークはこのワゴン・リ社の重役という設定になっています。</p>
<p>しかし、華々しく運航していた列車も、第二次大戦後は空の旅が一般的となったことで落ち目に。ワゴン・リ社は1971年に寝台車事業から撤退し、1977年にはオリエント急行の運行も中止されました。</p>
<p>1980年代以降は別会社によってヨーロッパの観光列車として運行され、テレビの企画で日本での運行が実現したこともありましたが、現在は残念ながらすべて廃線となっています。</p>
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<h3><span id="toc6">「リンドバーグ愛児誘拐事件」から着想を得た物語</span></h3>
<p>1927年に大西洋単独無着陸飛行を世界で初めて成功させたのは、<strong>チャールズ・リンドバーグ</strong>という人物でした。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2418 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Col_Charles_Lindbergh-756x1024.jpg" alt="リンドバーグ　写真" width="370" height="501" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Col_Charles_Lindbergh-756x1024.jpg 756w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Col_Charles_Lindbergh-221x300.jpg 221w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Col_Charles_Lindbergh-768x1041.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/800px-Col_Charles_Lindbergh.jpg 800w" sizes="(max-width: 370px) 100vw, 370px" /><span class="quote">リンドバーグ（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>日本ではかつて一世を風靡したバンド「リンドバーグ」の由来となったことでも有名でしょうか。</p>
<p>当時としては非常に過酷だった大西洋単独無着陸飛行を成功させたことで、彼は世界的ヒーローになっていました。</p>
<p>しかしながら、多くの人に注目されたことでリンドバーグは悲劇に見舞われます。1932年、彼の1歳8か月の息子がアメリカ・ニュージャージー州の自宅から誘拐され、殺害されるという事件が発生。後世では<strong>「リンドバーグ愛児誘拐事件」</strong>と呼ばれる痛ましい事件でした。</p>
<p>世界的な有名人であったリンドバーグの悲劇は、アメリカ国内だけでなく世界中で報道されます。そして悲劇的な事件として多くの人々、特に幼い子供を抱える親たちを震撼させました。</p>
<p>この事件は、リンドバーグ家で使用人をしていた女性が激しい取り調べを苦に自殺するなど、捜査の過程で悲劇の連鎖が起こったことでも知られています。犯人として逮捕された男は死刑になっていますが、いまだに冤罪説が検証されるなど、多くの疑惑をはらんだ事件でした。</p>
<p>さて、ここでなぜリンドバーグの悲劇に触れたかといえば、作中で事件解決の重要なキーになる事件として登場する<strong>「アームストロング誘拐事件」が、「リンドバーグ愛児誘拐事件」をモデルにしている</strong>と言われているから。</p>
<p>しかし、本作が発表されたのは、事件が解決する前にあたる捜査中の時期でした。未解決の悲劇を題材にするというのは、現代の感覚から言うとかなり大胆な試みに思えます。</p>
<p>今なら、「悲劇でカネ稼ぎをするのか！」と、まずSNSで炎上するかもしれません…。</p>
<p>それでも、クリスティーはあえてそのタイミングで作品を世に送り出したのです。その意味については2ページ目で詳しく解説していますが、本作は彼女が事件について抱いた思いを感じ取ることができる貴重な作品ともいえます。</p>
<h3><span id="toc7">クリスティーの生んだベルギー人の名探偵「エルキュール・ポアロ」</span></h3>
<p>クリスティーの生み出したキャラクターの中でも、名探偵<strong>エルキュール・ポアロ</strong>は人気も知名度も高いことで知られています。彼を主役にした作品は<strong>「ポアロシリーズ」</strong>という名で親しまれており、『オリエント急行の殺人』もシリーズ人気作の一つです。</p>
<p>もともと<a href="https://koten-ibuki.com/tag/conan/">コナン・ドイル</a>が描くホームズシリーズの大ファンだったクリスティーは、自身でもオリジナルの名探偵を生み出すべく知恵を絞ります。</p>
<div class="blogcard-type bct-related">

<a href="https://koten-ibuki.com/study-in-secret/" title="『緋色の研究』のあらすじや感想、時代背景を解説！名探偵シャーロック・ホームズが誕生した記念すべき一作" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img loading="lazy" decoding="async" width="160" height="90" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-160x90.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-160x90.jpg 160w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-120x68.jpg 120w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/8270c5a6e65a44c1da3ec95e719e2c10-320x180.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">『緋色の研究』のあらすじや感想、時代背景を解説！名探偵シャーロック・ホームズが誕生した記念すべき一作</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">突然ですが、あなたは「名探偵」というキーワードで誰を思い浮かべますか？ 国内外のミステリ小説にはさまざまな名探偵が登場しますが、その中でもずば抜けて有名なのがシャーロック・ホームズでしょう。 ヴィクトリア朝のイギリスに誕生したこの名探偵は、...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://koten-ibuki.com" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">koten-ibuki.com</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.03.14</div></div></div></div></a>
</div>
<p>そうして誕生したのが、特徴的な口髭と「灰色の脳細胞」が詰まった卵型の頭を持つ、神経質なベルギー人の紳士探偵でした。</p>
<p>ポアロの初登場は、クリスティーのデビュー長編<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA%E8%8D%98%E3%81%AE%E6%80%AA%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E3%83%9D%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC-ebook/dp/B009DEMCAU/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA%E8%8D%98%E3%81%AE%E6%80%AA%E4%BA%8B%E4%BB%B6&amp;qid=1587118256&amp;s=digital-text&amp;sr=1-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=hayato72105-22&amp;linkId=0fe3f19d6bd18df9f0dd3bc153ef85a9&amp;language=ja_JP">『スタイルズ荘の怪事件』</a>。ベルギーから亡命してきたポアロは、偶然再会した旧友・ヘイスティングスに頼まれて事件の捜査をします。この事件をきっかけにヘイスティングスとコンビを組むことになるのですが、バディものであるという点もホームズシリーズの影響を受けていそうです。</p>
<p>ただ、ポアロシリーズではホームズとは違い、ポアロ自身が犯人を組み伏せて捕まえるといったアクションシーンはあまり見られません。その分、事件関係者を集めて推理を披露し、論理的に犯人を追い詰めるというシーンが象徴的に描かれており、本作でも、謎解き編でその本領を発揮しています。</p>
<p>また、クリスティー作品の特徴と言えるかもしれませんが、ポアロシリーズを読んでいると、<strong>感覚を基準にした判断</strong>がたびたび登場します。</p>
<p>「なんとなく感じ取った」という女性の第六感的な感覚が推理に盛り込まれることがあるのです。ポアロは男性ですが、細やかな神経を持った人物として描かれているためか、こうした女性的な感覚を持っているという設定にもあまり違和感がありません。</p>
<p>ポアロが第六感を発揮するシーンは物語のカギとなっている場合も多いので、作品を読む際にはぜひ注目してみてください。</p>
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<h3><span id="toc8">車内見取り図やわかりやすい章立て！読者も推理を楽しめる工夫された構成</span></h3>
<p>『オリエント急行の殺人』は、<strong>読者が得られる情報の量が極めて多い</strong>作品です。</p>
<p>名探偵が登場する本格ミステリの特徴の一つとして、事件の舞台となる建物の見取り図などが掲載されていることがあります。本作でも、事件の起こった寝台列車の見取り図が掲載されており、乗客や車掌の事件当夜の位置関係や車内の間取りなどが、読者にもわかるようになっています。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="alignnone size-large wp-image-2419" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1920px-Le_Crime_de_lOrient_Express_-_Plan_wagon.svg_-1024x183.png" alt="オリエント急行の殺人　車内図" width="1024" height="183" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1920px-Le_Crime_de_lOrient_Express_-_Plan_wagon.svg_-1024x183.png 1024w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1920px-Le_Crime_de_lOrient_Express_-_Plan_wagon.svg_-300x54.png 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1920px-Le_Crime_de_lOrient_Express_-_Plan_wagon.svg_-768x138.png 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1920px-Le_Crime_de_lOrient_Express_-_Plan_wagon.svg_-1536x275.png 1536w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/04/1920px-Le_Crime_de_lOrient_Express_-_Plan_wagon.svg_.png 1920w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><br />
<span class="quote">作中電車の車内図（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>また、全体が大きく3つの章に分けられ、その章立ては非常にわかりやすく整然としています。時系列が前後することもなく、視点の変化もほぼありません。第2部「証言」編は、証言者ごとに章が切り替わる構成になっていて、登場人物が多い物語の中で、個々のキャラクターが印象に残りやすくなっています。</p>
<p>さらに、オリエント急行に乗車する前から物語の最後まで、読者がポアロと同じものを見聞きできる構成をとっているのが特徴。つまり、読者もポアロと同じ段階を踏み、同じ目線で推理を楽しめるようになっています。</p>
<p>読者に対して、これだけ何もかも情報を提供していることは、ある意味<strong>クリスティーからの挑戦</strong>とも思えます。初読の際にはどこまで真相に迫れるか、ぜひ挑戦してみてください。</p>
<h3><span id="toc9">映像化や舞台化でも語り継がれる不朽の名作</span></h3>
<p>列車という限られた空間を舞台にした「クローズドサークルミステリ」の代表作として名高い本作。その魅力的な舞台装置のせいもあってか、これまで数多くの作り手によって映像化や舞台化が行われてきました。</p>
<p>映像作品として特に有名なのは、名優アルバート・フィニーがポアロ役を務めた1974年の映画でしょう。</p>
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<p>当時のスターを集めたキャスティングの華やかさも注目されましたが、作品の世界観を見事に再現した完成度の高さも評価され、のちの数々の映像作品にも影響を与えました。</p>
<p>デヴィッド・スーシェがポアロを演じたドラマシリーズでの映像化の際には、ポアロの複雑な心情にスポットを当てており、原作とは一味違う作品として高く評価されています。</p>
<p>作品の世界観をどのように表現できるのか、作り手の挑戦はいまもなお続いており、2017年にはケネス・ブラナーさんの監督・主演で再び<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E6%80%A5%E8%A1%8C%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88-%E3%82%B1%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%8A%E3%83%BC/dp/B07B2PPY3Q/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E6%80%A5%E8%A1%8C%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA&amp;qid=1587118505&amp;sr=8-2&amp;linkCode=ll1&amp;tag=hayato72105-22&amp;linkId=48b7ba85d1bc732ad8c4a7869df25674&amp;language=ja_JP">映画化</a>。2015年には日本でも野村萬斎さん主演で映像化しているので、歴代の作品を比較してみてもおもしろいのではないでしょうか。</p>
<p><strong>※続きは次のページへ！</strong></p>
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		<item>
		<title>宮沢賢治の小説『銀河鉄道の夜』のあらすじや感想、内容の解説！「本当の幸せ」とは何なのか？</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/milky-way-railroad/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[安恵あゆみ]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 31 Mar 2020 07:39:27 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[日本文学]]></category>
		<category><![CDATA[日本近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[児童文学]]></category>
		<category><![CDATA[宮沢賢治]]></category>
		<category><![CDATA[青空文庫対応]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
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					<description><![CDATA[そのきれいな水は、ガラスよりも水素よりもすきとおって、ときどき眼めの加減か、ちらちら紫むらさきいろのこまかな波をたてたり、虹にじのようにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れて行き、野原にはあっちにもこっちにも、 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<blockquote><p>そのきれいな水は、ガラスよりも水素よりもすきとおって、ときどき眼めの加減か、ちらちら紫むらさきいろのこまかな波をたてたり、虹にじのようにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れて行き、野原にはあっちにもこっちにも、燐光りんこうの三角標が、うつくしく立っていたのです。</p></blockquote>
<p>これは、宮沢賢治<a href="https://www.amazon.co.jp/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E9%89%84%E9%81%93%E3%81%AE%E5%A4%9C-%E5%AE%AE%E6%B2%A2-%E8%B3%A2%E6%B2%BB-ebook/dp/B01EUC17SW/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E9%8A%80%E6%B2%B3%E9%89%84%E9%81%93%E3%81%AE%E5%A4%9C+%E9%9D%92%E7%A9%BA%E6%96%87%E5%BA%AB&amp;qid=1585636326&amp;sr=8-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=2110c40c6076e1006e4bc05858046bbd&amp;language=ja_JP">『銀河鉄道の夜』</a>内で描かれる、列車から見た天の川の描写です。約1世紀前に書かれた作品とは思えないほど洗練され美しい文章ですね。</p>
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<p>超有名な作品ですが、本作について「何となくは理解できたけど最終的に何が言いたかったのか分からなかった…」そう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか？</p>
<p>個性的な語感センスもさることながら、宮沢賢治の作品には教養人である賢治の生死感、人生観が作中に散りばめられています。そのため、事前知識無しだと「今の描写はどういう意味なの？」と戸惑う事もあるでしょう。</p>
<p>今回は是非皆さんと『銀河鉄道の夜』ひいては宮沢賢治の基本知識を共有させて頂き、本作の魅力をより堪能出来るようお手伝いをさせて頂きたく思います。</p>

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          </div>

</div>

<h2><span id="toc1">『銀河鉄道の夜』の作品情報</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td>宮沢賢治</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1924年から1933年</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/category/jpn-lit/">日本</a></td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>日本語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/tag/juvenile-lit/">児童文学</a></td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>読みやすい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>本作は電子化が進んでおり、</p>
<div class="blank-box">・<a href="https://www.amazon.co.jp/Kindle-Paperwhite-%E9%98%B2%E6%B0%B4%E6%A9%9F%E8%83%BD%E6%90%AD%E8%BC%89-WiFi-8GB-%E5%BA%83%E5%91%8A%E3%81%A4%E3%81%8D-%E9%9B%BB%E5%AD%90%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC/dp/B07HCSQ48P/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;keywords=kindle&amp;qid=1579691587&amp;sr=8-3&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=36aff67571844df7de440031745ba15f&amp;language=ja_JP">Kindle端末</a><br />
・<a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a><br />
・<a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;amp;_encoding=UTF8&amp;amp;tag=koten-ibuki-22&amp;amp;linkCode=ur2&amp;amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;amp;camp=247&amp;amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></div>
<p>のすべてで作品を楽しむことができます。</p>
<h2><span id="toc2">『銀河鉄道の夜』の簡単なあらすじ</span></h2>
<p>主人公の少年・<strong>ジョバンニ</strong>はあまり裕福な家庭の子ではなく、働きながら学校へ通っています。母親は病気がちで、1人いる姉は既に結婚し家を離れており、かつ父親は遠方の漁に出ており家に帰って来ません</p>
<p>ジョバンニは労働の疲れのせいで授業も身に入らず、クラスメイトからそんな家庭の境遇を馬鹿にされていました。そんな中、親友の<strong>カンパネルラ</strong>だけは、ジョバンニを馬鹿にせず接してくれます。</p>
<p>ある日の授業が終わった後、クラスメイトが集まって、今夜開催されるお祭り「星祭」について話しているようです。けれどもジョバンニは友人たちに混ざることなく、活版所のアルバイトへ向かいます。</p>
<p>アルバイトを終え家に帰ると、母親の牛乳を取ってくるお使いのついでに星祭を観に行こうと街に向かいます。牛乳屋からの帰り、ジョバンニはクラスメイトの集団とすれ違いました。</p>
<p>その際、父親についてクラスメイトから心無い一言を投げかけられ、ショックを受けます。</p>
<p>さらにその集団の中に申し訳無さそうな顔のカンパネルラを見つけ、耐えきれなくなったジョバンニは黒い丘の方へ駆け出していきました。</p>
<p>一人暗い丘に来たジョバンニが冷たい草の上に寝転がっていると、どこからか「銀河ステーション、銀河ステーション」と不思議な声がします。</p>
<p>すると眩い光に包まれ、気がつくと銀河を走る銀河鉄道に乗っています。そして車内を見ると、何故か服が濡れたカンパネルラがいました。ここから、二人の不思議な銀河鉄道の旅が始まるのです。</p>
<h2><span id="toc3">こんな人に読んでほしい！</span></h2>
<div class="blank-box">・詩的な表現や個性的な文章表現に触れたい方<br />
・幻想的なファンタジーが好きな方<br />
・人のために生きるとは何か、ヒントが欲しい方</div>
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          </div>

</div>

<h2><span id="toc4">『銀河鉄道の夜』の作者や宗教観、後世の評価を解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">岩手の素朴な作家？いえいえ、意外とガンコで情熱家</span></h3>
<p>皆さんは、本作の作者・<strong>宮沢賢治</strong>を「岩手県で童話を書いていた、病弱で純朴な人」というように認識されていると思います。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2379 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Miyazawa_Kenji-722x1024.jpg" alt="宮沢賢治 写真" width="354" height="502" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Miyazawa_Kenji-722x1024.jpg 722w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Miyazawa_Kenji-211x300.jpg 211w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Miyazawa_Kenji-768x1090.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Miyazawa_Kenji.jpg 800w" sizes="(max-width: 354px) 100vw, 354px" /><span class="quote">宮沢賢治（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>これは決して間違いではないのですが、実際の彼は<strong>かなり活動的で、かつ情熱的な人生を送っていた</strong>ことが知られています。</p>
<p>そこで、一般的な賢治のイメージとかけ離れたエピソードを中心に、彼の人生を簡単に説明したいと思います。</p>
<p>宮沢賢治は、1896年に岩手県花巻市で非常に裕福な質屋の家に生まれます。彼はごくごく普通の、少し体の弱い病弱な子供であったそうです。1909年、彼は盛岡中学校（現在の盛岡第一高校）に進学しました。</p>
<p>この時期、賢治は家業について強い嫌悪感を抱いていました。質屋とは、お金のない人にお金を貸して儲ける浅ましい事であると考え、賢治が店番に出ていた時は貸した金の利子を取らなかったそうです。</p>
<p>そのようなエピソードからもなんとなくわかるかと思いますが、彼は思い込むと一直線に行動を起こす男でした。</p>
<p>例えば、</p>
<div class="blank-box">
<p>・父親に「東京で人工宝石を作って販売したいので、資金援助をして欲しい」と訴える→案の定、父とは生涯にわたって対立</p>
<p>・東京で影響を受けた宗教団体に、特につてがないのに岩手から飛び出して向かってしまう→親友、保阪嘉内に対し、宗教団体に加入するよう勧め過ぎて距離を置かれる</p>
<p>・「女性と無闇に関係を持つのは良くない」と考え、自分のことを好きな女性と会う時は、顔に墨を塗って嫌われようとした</p>
<p>・せっかく農学校の先生になったのに、学生には農業を教えているのに自分は給料を貰って働いている矛盾に耐えきれず退職した</p>
</div>
<div>などなどの伝説が残されており、単なる「気弱で病弱な作家」ではないことがわかると思います。</div>
<h3><span id="toc6">賢治はさまざまな宗教を熱心に信仰した</span></h3>
<p>本作を深く語る上で欠かせないのは<strong>「宮沢賢治の宗教観を理解すること」</strong>です。</p>
<p>実家は浄土真宗に属していて、家族は熱心な信者でした。さらに盛岡中学校に進学すると、英語を教えていたバプテスト派（プロテスタントの一派）の牧師と交流を深め、キリスト教への関心を高めていきました。</p>
<p>同時にこの時期はキリスト教のカトリック教会にも通っていた（カトリックとプロテスタントは「宗教戦争」を起こしたこともあるほど険悪だったことも）そうですので、彼はある意味非常に日本的な、一つの宗教に拘らないおおらかな宗教観を持ち合わせていたといえるでしょう。</p>
<p>その後、賢治はなかば家出のような形で上京し、日蓮宗を母体とした宗教団体<strong>「国柱会」</strong>に入会。国柱会とは晩年疎遠になったとも言われますが、彼が日蓮宗から大きな影響を受けたことは確かでしょう。</p>
<p>簡単に経歴をまとめただけですが、宮沢賢治がいかにに多くの宗教的な知識を持っていたかがわかります。これらの豊かな経験が、本作に反映されているのです。</p>
<h3><span id="toc7">本作のようなファンタジー作品はなかなか受け入れられなかった</span></h3>
<p>今でこそ「知らない人はいない」とまで言い切れる不朽の名作として知られるようになった本作。ですが、その大きな評価は後年になって与えられたもので、出版当時は軽んじられていたことをご存じでしょうか？</p>
<p>その理由を簡単に言えば「当時のトレンド作品ではなかった」から。当時は説法や勧善懲悪のわかりやすい物語が流行しており、本作のようなファンタジー色の強い作品は避けられる傾向にありました。</p>
<p>どのくらい避けられたかといえば、海外の名作を訳す際、翻訳者が<strong>勝手に話のオチを変え、ただの説教話にしてしまうこともあった</strong>ほど。</p>
<p>例えば、当時翻訳された児童古典の名作<a href="https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AE%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B9-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AD%E3%83%AB-ebook/dp/B01914HLHK/ref=as_li_ss_tl?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&amp;dchild=1&amp;keywords=%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AE%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B9&amp;qid=1585636793&amp;sr=8-8&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=8c610c6b54e8894dd46b451e2593904b&amp;language=ja_JP">『不思議の国のアリス』</a>の主人公の名前は「あやちゃん」で、ハンプティ・ダンプティはなんと「卵男」または「丸長飯櫃左衛門（マルナガイイビツザエモン）」などとされ出版されていました。現代に生きる我々にしてみれば、もはや何のことやらサッパリ分かりません……。</p>
<p>また、当時の日本で「児童文学」のジャンルに属する本・作家は、「日本児童文学の父」とも言われる児童文学者・鈴木三重吉の主宰する文芸雑誌『赤い鳥』に掲載され、かつ評価されることが非常に大きなステータスになりました。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2380 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/AnyConv.com__Suzuki_Miekichi.jpg" alt="鈴木三重吉　写真" width="343" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/AnyConv.com__Suzuki_Miekichi.jpg 388w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/AnyConv.com__Suzuki_Miekichi-206x300.jpg 206w" sizes="(max-width: 343px) 100vw, 343px" /><span class="quote">鈴木三重吉（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>しかしながら、この鈴木三重吉と宮沢賢治の世界観は相性が悪く、賢治の<strong>「ファンタジー性が強く個性的な造語が飛び交う世界観」を評価しなかった</strong>ことも彼の名が世に出るのが遅れた要因の一つです。</p>
<p>事実、鈴木三重吉の弟子であり、当時の児童文学の大御所であった坪田譲治は『銀河鉄道の夜』や『かしわばやしの夜』（宮沢賢治の別作品。大きな話の筋があるわけでなく、幻想的な描写が多い）は「何となく馴染めない……」と感想を語ったそうです。</p>
<p>ただ、ここで一つ言っておきたいのは、「これほどまでに偉大な作家を評価しなかった当時の文壇はクソ！」という話がしたいわけではないということ。先ほども見たように、「アリス」を「あやちゃん」と翻訳した方が良いと思われるような時代において、主人公の名前を「ジョバンニ」や「カンパネルラ」とするような賢治の感性が進み過ぎていたと言ったほうが正解だと思います。</p>
<p>また、当時も賢治の事を評価する声がなかったわけではありませんが、総じて前衛的な作家たちから評価されたと言われています。</p>
<p><strong>※続きは次ページへ！</strong></p>
]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>『嵐が丘』のあらすじや感想、内容の解説！ヒースクリフによる「究極の復讐劇」が描かれた作品</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/wuthering-heights/</link>
					<comments>https://koten-ibuki.com/wuthering-heights/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[トウコ]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 31 Mar 2020 04:22:54 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[イギリス近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[イギリス文学]]></category>
		<category><![CDATA[エミリー・ブロンテ]]></category>
		<category><![CDATA[ゴシックロマンス]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
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					<description><![CDATA[世界には時として「親子や兄弟姉妹」のそれぞれが偉大な作家という例があります。 たとえば、『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』の作者として知られるアレクサンドル・デュマ・ペールと、『椿姫』の作者であるアレクサンドル・デュマ・ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>世界には時として「親子や兄弟姉妹」のそれぞれが偉大な作家という例があります。</p>
<p>たとえば、『三銃士』や<a href="https://koten-ibuki.com/monte-cristo/">『モンテ・クリスト伯』</a>の作者として知られる<a href="https://koten-ibuki.com/tag/dumas/">アレクサンドル・デュマ・ペール</a>と、『椿姫』の作者であるアレクサンドル・デュマ・フィスは親子で文学史に名を残しています。</p>
<p>そして、今回ご紹介する<a href="https://www.amazon.co.jp/%E5%B5%90%E3%81%8C%E4%B8%98-%E3%82%A8%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%86-ebook/dp/B00DOT4WFI/ref=as_li_ss_tl?_encoding=UTF8&amp;qid=1585574846&amp;sr=8-2&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=62b1dc8b78a7b82d2ccb9f79b7fbae8f&amp;language=ja_JP">『嵐が丘』</a>も、作者のエミリー・ブロンテは「ブロンテ三姉妹」と呼ばれる文学者姉妹の一人として知られているのです。</p>
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<p>本記事では、そんな「世界三大悲劇」の一角にも数えられるこの作品を、様々な視点から解説していきます。</p>
<p>なお、この記事では1ページ目に<strong>あらすじや作品情報・トリビアといった解説文</strong>を、2ページ目は<strong>書評(ネタバレあり)</strong>を掲載しています。</p>

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          </div>

</div>

<h2><span id="toc1">嵐が丘の作品情報</span></h2>
<p>まず、本作に関する基本的な作品情報を整理しておきます。</p>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td>エミリー・ブロンテ</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1847年</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/category/eng-lit/">イギリス</a></td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>英語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/tag/gothic-romance/">ゴシック小説</a></td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>やや読みにくい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>×</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<h2><span id="toc2">嵐が丘の簡単なあらすじ</span></h2>
<p>自称人間嫌いの紳士・<strong>ロックウッド</strong>がヨークシャの荒野に立つ屋敷〝嵐が丘〟を訪ねてきた。そこには、主人である<strong>ヒースクリフ</strong>と義理の娘・<strong>キャシー</strong>、そして低俗な男・<strong>ヘアトン</strong>が暮らしていた。</p>
<p>その奇妙な関係に興味を抱きつつ泊まったその晩のこと。彼は<strong>キャサリン・リントン</strong>と名乗る亡霊を目撃する。20年も彷徨っているのだと言う亡霊を前に、粗暴で愛とは無縁な性格に見えたヒースクリフが愛を叫びながら咽び泣いていたのだ。</p>
<p>キャサリンやヒースクリフと共に育った召使い・<strong>ネリー</strong>の回想によって、嵐が丘に起きた出来事が明かされていく。</p>
<p>ヒースクリフは、かつての嵐が丘の当主であるアーンショウがリヴァプールで拾ってきた孤児だった。肌も髪も黒く、ボロの服を纏ったジプシーのような子供だったのだ。当主の加護もあって嵐が丘で暮らすようになるが、アーンショウ家の息子<strong>ヒンドリー</strong>から虐められており、当主の死後は下働きにさせられてしまう。しかし娘キャサリンだけはヒースクリフの味方で、二人は多くの時間を共に過ごして育った。</p>
<p>ある日、いつもの悪巧みで隣家のスラッシュクロスの庭に忍びこんだ二人だが、キャサリンが番犬に噛まれて捕まってしまった。その時からスラッシュクロスで暮らすリントン家の<strong>エドガー</strong>、<strong>イザベラ</strong>との交流が始まる。</p>
<p>キャサリンは変わり、ヒースクリフは孤独を感じていく。そしてキャサリンはある決断をし、ヒースクリフは嵐が丘を飛び出し姿を消したのだった——。</p>
<p>嵐が丘、スラッシュクロスと二つの館で起きる「愛と復讐の物語」が幕を開ける。</p>
<h2><span id="toc3">こんな人に読んで欲しい</span></h2>
<div class="blank-box">
<p>・復讐劇に興味がある</p>
<p>・狂うほどの恋愛がしてみたい</p>
<p>・どっと疲れる作品を読んでみたい</p>
</div>
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</div>

<h2><span id="toc4">嵐が丘の作者エミリーや原題、執筆当時と現代での評価の違いについて解説</span></h2>
<p>先にも触れましたが、本作を読むにあたっては知っておくとより楽しめる知識というものがいくつかあります。</p>
<p>以下で順を追って解説していきましょう。</p>
<h3><span id="toc5">世間から隔絶されたエミリー・ブロンテの人生は文学への情熱を高めた</span></h3>
<p>1818年、<strong>エミリー・ブロンテ</strong>は牧師の娘として生まれます。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2373 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/f3f9f69a982f245087b42b884b502b16-664x1024.jpg" alt="エミリーブロンテ　写真" width="324" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/f3f9f69a982f245087b42b884b502b16-664x1024.jpg 664w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/f3f9f69a982f245087b42b884b502b16-195x300.jpg 195w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/f3f9f69a982f245087b42b884b502b16-768x1184.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/f3f9f69a982f245087b42b884b502b16.jpg 800w" sizes="(max-width: 324px) 100vw, 324px" /><span class="quote">エミリー・ブロンテ（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>彼女が育ったイギリス・ヨークシャーの町<strong>ソーントン</strong>は暗く寂しい村で、厳格な父をもつブロンテ一家は娯楽とは無縁な生活を送っていました。</p>
<p>エミリーを含めた六人の姉弟は、荒野の大自然を前に空想遊びや詩を描いて過ごすほかにありませんでした。</p>
<p>彼女は20歳の頃に音楽学校で、24歳の頃にベルギーの寄宿学校での教師経験がありますが、どちらも半年程で帰国。</p>
<p>後にブロンテ三姉妹と呼ばれる姉・<a href="https://koten-ibuki.com/tag/charlotte-bronte/">シャーロット</a>と妹・アンが住み込みの家庭教師として働いていたためか、エミリーは自宅と牧師館の家事を任されていたのです。</p>
<p>また、その頃父が病を患っていたことに加え、兄・パトリックは画家の夢破れて酒場狂いをしており彼女は彼らの世話に奔走します。</p>
<p>しかし、このような世間と隔絶した環境は、かえってエミリーの文学に対する情熱を高めていくことになります。</p>
<p>シャーロットが自身の経験を活かして<a href="https://koten-ibuki.com/jane-eyre/">『ジェーン・エア』</a>など数多くの名作を生み出していたのに対し、本作にエミリーの経験は何一つ反映されていないであろうと推測されているほど。</p>
<div class="blogcard-type bct-detail">

<a href="https://koten-ibuki.com/jane-eyre/" title="『ジェーン・エア』のあらすじや感想、『嵐が丘』との関連を解説！女性の自立を描いた私小説的作品" class="blogcard-wrap internal-blogcard-wrap a-wrap cf"><div class="blogcard internal-blogcard ib-left cf"><div class="blogcard-label internal-blogcard-label"><span class="fa"></span></div><figure class="blogcard-thumbnail internal-blogcard-thumbnail"><img loading="lazy" decoding="async" width="160" height="90" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/01/b7d7c4ec792ce07e672be56b8d2cebb8-160x90.jpg" class="blogcard-thumb-image internal-blogcard-thumb-image wp-post-image" alt="" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/01/b7d7c4ec792ce07e672be56b8d2cebb8-160x90.jpg 160w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/01/b7d7c4ec792ce07e672be56b8d2cebb8-120x68.jpg 120w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/01/b7d7c4ec792ce07e672be56b8d2cebb8-320x180.jpg 320w" sizes="(max-width: 160px) 100vw, 160px" /></figure><div class="blogcard-content internal-blogcard-content"><div class="blogcard-title internal-blogcard-title">『ジェーン・エア』のあらすじや感想、『嵐が丘』との関連を解説！女性の自立を描いた私小説的作品</div><div class="blogcard-snippet internal-blogcard-snippet">「障害のある恋愛」というものは、時代・地域を問わず小説や映画のテーマとなってきました。 中でも「身分違いの恋」というものは、オースティンの「高慢と偏見」、デュマの「椿姫」など、名作の多い分野です。 今回取り上げるのも、その身分違いの恋をする...</div></div><div class="blogcard-footer internal-blogcard-footer cf"><div class="blogcard-site internal-blogcard-site"><div class="blogcard-favicon internal-blogcard-favicon"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.google.com/s2/favicons?domain=https://koten-ibuki.com" alt="" class="blogcard-favicon-image internal-blogcard-favicon-image" width="16" height="16" /></div><div class="blogcard-domain internal-blogcard-domain">koten-ibuki.com</div></div><div class="blogcard-date internal-blogcard-date"><div class="blogcard-post-date internal-blogcard-post-date">2020.01.22</div></div></div></div></a>
</div>
<p>彼女は本作の執筆から一年後に早逝してしまっており、作品について取材の記録もないことから執筆の背景などは明らかになっていません。が、あまりに荒々しい本作の内容は、現代でよく知られるエミリーの生涯とはかけ離れています。</p>
<p>そのため、逞しい想像力によって構築された傑作であると称されました。</p>
<p>エミリーは詩や小説の執筆に人生を捧げて生涯独身でした。しかし、最期はパトリックの葬儀に参列した際にもらった風邪をこじらせ、肺炎を起こした為に30歳の若さで命を落としたのです。</p>
<p>本作が注目され、評価され始めたのはエミリーの没後二年ほど経ってからだといいます。牧師の家に生まれ熱心に信仰を有していたエミリーでしたが、その反響を知ることなく亡くなってしまったのはなんとも皮肉な話といえましょう。</p>
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</div>

<h3><span id="toc6">原題『Wuthering Heights』は本来「ビュービューと風が吹く丘」という意味</span></h3>
<p>本作の原題である”<em>Wuthering Heights</em>”を直訳すると<strong>「ビュービューと風が吹く丘」</strong>という意味になります。日本では、これを『嵐が丘』と訳した題名でよく知られています。</p>
<p>本作の翻訳者は、<a href="https://koten-ibuki.com/tag/shakespeare/">シェイクスピア</a>の『リア王』などを訳したイギリス文学者の斎藤勇。</p>
<p>彼は本作のタイトルを訳す際、エミリーの言語センスと作品の内容を重視しました。</p>
<p>そもそも<em>Wuthering</em>とはエミリーの造語で、元の単語はwuther（意味：（風が）激しく吹く）であると言われています。斎藤勇は、これを<strong>〝嵐〟</strong>と例えました。</p>
<p>なぜそう訳したかは、本作の登場人物が織りなす物語の内容に由来すると考えられます。非常に激しい性格であるキャサリンとヒースクリフを中心に繰り広げられる物語で表現されているのは、「人間の愛情や憎悪」。その憎しみは暴力という手段で描かれるほどであり、物語は〝嵐が丘〟の中にあるともいえましょう。</p>
<p>作品の内容をよく押さえたこの訳は、現代でも歴史的名訳と評されています。</p>
<h3><span id="toc7">嵐が「丘」のモデルはエミリーの故郷・ハワーズ</span></h3>
<p>嵐が「丘」のモデルとなった場所は実在しており、エミリーの故郷にある<strong>「ハワーズ」</strong>という荒野であるとされています。さらに、ハワーズの奥地を進むと「トップウィゼンズ」という廃墟があり、そこが本作の舞台となった場所と考えられています。</p>
<p>現代では「ブロンテ姉妹ゆかりの地」としてイギリスの観光名所になっており、世界中のファンが訪れて賑わっています。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2374 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Main_Street_Haworth_West_Yorkshire-1024x768.jpg" alt="ハワーズ" width="666" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Main_Street_Haworth_West_Yorkshire-1024x768.jpg 1024w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Main_Street_Haworth_West_Yorkshire-300x225.jpg 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Main_Street_Haworth_West_Yorkshire-768x576.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Main_Street_Haworth_West_Yorkshire.jpg 1280w" sizes="(max-width: 666px) 100vw, 666px" /><span class="quote">現代のハワーズ（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>が、170年以上の時が経過してもなお、「嵐が丘」として描かれた美しい大地、自然は不変。その証拠として、エミリーが作中でハワーズを表現している一節をご紹介しましょう。</p>
<blockquote><p>この土地は美しい！イングランドじゅうを探してみても、ここまで完全に騒がしい世間から隔絶されている場所は見つかるまい。まさに人間嫌いの天国だ</p></blockquote>
<p>エミリーの生涯が「陰気な田舎の町に閉じ込められた苦しいもの」であったことはすでに触れました。</p>
<p>つまり、本作はエミリーにとって「世界の全て」だったハワーズで生まれた、彼女の人生における集大成のような作品であったといえましょう。</p>
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</div>

<h3><span id="toc8">執筆当時は酷評されたものの、現代では世界中で愛される作品に</span></h3>
<p>本作の出版当時（イギリス・ヴィクトリア王朝が君臨していた19世紀中頃）は、登場人物の荒々しい性格や、婚姻後も続く三角関係という非道徳的な内容が社会や読者からは到底受け入れられず、<strong>「最悪の小説」</strong>とまで酷評されました。</p>
<p>女性に対して特に保守的な道徳観を有していた当時、小説は「人生の手引書」のような役割を果たしていました。一般的な作品には良家の子女が読み、手本となるような女性像が多く描かれていたわけですから、それとはかけ離れていた本作は受け入れられなくて当然だったという事情があります。</p>
<p>また、「小説家」という職業そのものも女性の仕事としては認められず、エミリーは「エリス・ベル」という男性風のペンネームを使用して本作を出版したほど。</p>
<p>彼女の作品も、生き方も、当時の人々にとっては刺激が強すぎたのでしょう。</p>
<p>しかし、20世紀に入って小説や女性に対する認識が変化してくると、本作は「不思議だが興味深いストーリーを有する作品」として注目されました。年を重ねるごとに評価は高まり、現代では世界中で翻訳され、愛読されています。</p>
<p>著名な小説家の中にも『嵐が丘』のファンは多く、サマセット・モームは<strong>「世界十大小説」の一つ</strong>に本作を選んでいます。また、世界中のティーンエイジャーに絶大な人気を誇った『トワイライト』シリーズの作者・ステファニーメイヤーもその一人で、シリーズ3作目の『エクリプス』は本作を題材にしていると考えられています。</p>
<p>もちろん日本も例外ではなく、現代でも「イギリス文学の古典作品」として必ず名前が挙がる一作となりました。</p>
<p>また、2015年の舞台では堀北真希さんがキャサリンを好演し、ずいぶんと話題になったものです。ちなみに、この舞台でヒースクリフ役を演じたのは、後にご結婚された山本耕史さん。</p>
<p>そのため、嵐が丘のファンは、<strong>「現世でキャサリンとヒースクリフが結ばれた！」</strong>と騒いだものです。</p>
<p>酷評された時代を経て、現在ではこのように世界中で愛される小説として名を馳せています。</p>
<p><strong>※続きは次ページへ！</strong></p>
]]></content:encoded>
					
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		<post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">2372</post-id>	</item>
		<item>
		<title>『緋色の研究』のあらすじや感想、時代背景を解説！名探偵シャーロック・ホームズが誕生した記念すべき一作</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/study-in-secret/</link>
					<comments>https://koten-ibuki.com/study-in-secret/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[ぶんちん]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 14 Mar 2020 00:12:29 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[イギリス近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[イギリス文学]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<category><![CDATA[推理小説]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[アーサー・コナン・ドイル]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://koten-ibuki.com/?p=2349</guid>

					<description><![CDATA[突然ですが、あなたは「名探偵」というキーワードで誰を思い浮かべますか？ 国内外のミステリ小説にはさまざまな名探偵が登場しますが、その中でもずば抜けて有名なのがシャーロック・ホームズでしょう。 ヴィクトリア朝のイギリスに誕 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>突然ですが、あなたは「名探偵」というキーワードで誰を思い浮かべますか？</p>
<p>国内外のミステリ小説にはさまざまな名探偵が登場しますが、その中でもずば抜けて有名なのが<strong>シャーロック・ホームズ</strong>でしょう。</p>
<p>ヴィクトリア朝のイギリスに誕生したこの名探偵は、その個性的なキャラクターと抜群の推理力で、国や時代を超えて人々の心を掴んできました。</p>
<p>現代では映画やドラマだけでなく、アニメやゲームなどでも親しまれており、“小説を読んだことはないけど名前だけは知っている”という人も多いのではないでしょうか。</p>
<p>この記事では、<strong>記念すべきシャーロック・ホームズシリーズの第一作目<a href="https://www.amazon.co.jp/%E7%B7%8B%E8%89%B2%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E3%80%90%E6%96%B0%E8%A8%B3%E7%89%88%E3%80%91-%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%AB-ebook/dp/B0154KGVQM/ref=as_li_ss_tl?dchild=1&amp;keywords=%E7%B7%8B%E8%89%B2%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6&amp;qid=1584106974&amp;refinements=p_n_feature_nineteen_browse-bin:3169286051&amp;s=digital-text&amp;sr=1-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=316932f2fce9b76cdfe7ed125cdb3743&amp;language=ja_JP">『緋色の研究』</a></strong>を取り上げ、1ページ目にあらすじや作品情報・トリビアといった解説文を、2ページ目は書評（ネタバレ要素あり）を掲載しています。</p>
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<p>ホームズシリーズを読んだことがない方や長編は未読という方にも、作品を手に取っていただくきっかけになればうれしいです。</p>

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</div>

<h2><span id="toc1">『緋色の研究』の作品情報</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td>アーサー・コナン・ドイル</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1886年（掲載は1887年）</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/category/eng-lit/">イギリス</a></td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>英語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td><a href="https://koten-ibuki.com/tag/detective/">ミステリ</a></td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>やや読みにくい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>×</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>本作は、ホームズシリーズ一作目の長編ミステリです。</p>
<p>ホームズとワトスンの出会いから、二人の初めての事件の解決と事件の背景までが描かれます。長編ということもあり、シリーズの世界観に慣れていない段階ではやや読みにくさを感じるかもしれません。</p>
<p>さまざまな方の手によって翻訳されているので、自分にとって読みやすい翻訳のものを選んでみてください。</p>
<h2><span id="toc2">『緋色の研究』の簡単なあらすじ</span></h2>
<p>軍医として第二次アフガニスタン戦争に従軍するも、ケガと病により帰国した<strong>ジョン・H・ワトスン</strong>。生活を安定させるため同居人と住まいを探していたところ、偶然再会した旧友スタンフォードから“一人の男”を紹介されます。</p>
<p>その男の名は<strong>「シャーロック・ホームズ」</strong>。</p>
<p>「世界で唯一の探偵コンサルタント」を自称する彼は、ときに警察にアドバイスも行い、数々の難事件を解決に導いてきた人物だったのです。</p>
<p>ベイカー街221番地Bで共同生活を送る中、同居人への好奇心が尽きないワトスンは、彼の職業を知り俄然興味が湧きます。そんなとき、警察からとある殺人事件捜査への協力要請が。ホームズの探偵としての仕事ぶりを見てみたかったワトスンは、助手として捜査に加わることにしました。</p>
<p>事件の現場はロリストン・ガーデンズ三番地。空き家のはずの家で<strong>イーノク・J・ドレバー</strong>という人物が変死しているのが発見され、部屋の壁には「RACHE」の血文字が遺されていました。足跡やたばこの灰など、警察も見落としていた現場の痕跡からすぐに犯人像を割り出すホームズ。痕跡をたどるその様子や類まれな観察眼と知識に、ワトスンは感心し素直に称賛するのでした。</p>
<p>その後それぞれに捜査を進めていく警察とホームズたちですが、遺留品の謎や次々に浮かび上がる容疑者に翻弄され、謎は深まっていきます。そしてまた新たな殺人が…。名探偵シャーロック・ホームズが奇怪な事件の犯人とその背景に迫る、記念すべきシリーズ第一弾です！</p>
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          </div>

</div>

<h2><span id="toc3">こんな人に読んでほしい</span></h2>
<div class="blank-box">
<p>・海外のミステリに挑戦してみたい</p>
<p>・ヴィクトリア朝のイギリスの雰囲気を感じたい</p>
<p>・古典ミステリはほとんど読んだことがない</p>
</div>
<h2><span id="toc4">『緋色の研究』の舞台や時代背景、「モルモン教」とのかかわりを解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">大英帝国の繁栄に陰りが見え始めた、ヴィクトリア朝後期のロンドンが舞台</span></h3>
<p>ホームズたちが主に活躍するのは、1880～1910年代。この時代は「ヴィクトリア朝後期から第一次世界大戦の開戦までの時期」にあたります。</p>
<p>1880年代は、<strong>世界中に領土を広げてきた大英帝国の繁栄に陰りが見え始めたころ</strong>。シリーズ中にもオーストラリアやインドなど、当時の英国領での出来事を下地にした事件が多数登場しています。</p>
<p>そして、ホームズとワトスンが居を構え、探偵活動の拠点とするのが大英帝国の首都・ロンドンです。産業革命後、仕事の多い都市部に人口が集中するようになり、「緋色の研究」事件が起こったとされる1881年ごろのロンドンも、330万人もの人々が暮らす一大都市でした。</p>
<p>ただし、都市部に住む人々の三分の一は、裕福ではない労働者階級。貧しさから犯罪に走る者もあり、犯罪数も増加してしまいます。当時の読者にホームズのような名探偵が歓迎されたのも、このような社会背景が関係しているのかもしれません。</p>
<p>ちなみに作中に登場する通りの名前や駅名などには、当時実在していたものもあり、ホームズとワトスンが暮らしていたベイカー街ももちろん実在しています。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2350 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Baker_Street_Sign-1024x768.jpg" alt="ベイカー街　写真" width="666" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Baker_Street_Sign-1024x768.jpg 1024w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Baker_Street_Sign-300x225.jpg 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Baker_Street_Sign-768x576.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Baker_Street_Sign.jpg 1280w" sizes="(max-width: 666px) 100vw, 666px" /><span class="quote">実在のベイカー街（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>現代のロンドンにもホームズ関連の観光スポットが多数あり、世界中からファンが訪れる聖地となっている場所もあります。</p>
<h3><span id="toc6">モルモン教に対する根強い偏見が描かれる</span></h3>
<p>アメリカ・ユタ州に実在するソルトレイクシティ。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="alignnone wp-image-2352" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Saltlakecityjune2009-1024x640.jpg" alt="ソルトレイクシティ　街並み" width="808" height="505" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Saltlakecityjune2009-1024x640.jpg 1024w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Saltlakecityjune2009-300x188.jpg 300w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Saltlakecityjune2009-768x480.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/1280px-Saltlakecityjune2009.jpg 1280w" sizes="(max-width: 808px) 100vw, 808px" /><br />
<span class="quote">現在のソルトレイクシティ（出典：wikipedia）</span></p>
<p>古くからモルモン教会（末日聖徒イエス・キリスト教会）の本部が置かれていることで知られています。2002年の冬季オリンピックの開催地としても有名ですね。</p>
<p>実は「緋色の研究」は二部構成。第二部で重要なカギを握っている土地として、このソルトレイクシティが登場しています。この地に暮らすモルモン教徒たちももちろん描かれていますが、こんなふうに書いて大丈夫なのかと心配になるほど、<strong>悪いイメージに偏った描写</strong>がされています。</p>
<p>このような描かれ方が当時の人々に抵抗なく受け入れられたとすれば、モルモン教に対する当時の社会の偏見の強さをうかがい知れる点と言えるでしょう。当然ながら、この作品に書かれているようなことは現代には行われていません。</p>
<p>読み進める際には、モルモン教について誤解や偏見を抱くことのないよう注意してくださいね。</p>
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</div>

<h3><span id="toc7">“偉大な名探偵”に翻弄された作者コナン・ドイルの人生</span></h3>
<p><strong>アーサー・コナン・ドイル</strong>は、1859年にイギリスのエディンバラで誕生しました。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2353 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Conan_doyle-642x1024.jpg" alt="アーサー・コナン・ドイル 写真" width="317" height="506" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Conan_doyle-642x1024.jpg 642w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Conan_doyle-188x300.jpg 188w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Conan_doyle-768x1225.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/03/800px-Conan_doyle.jpg 800w" sizes="(max-width: 317px) 100vw, 317px" /><span class="quote">アーサー・コナン・ドイル（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>1876年、医学を学ぶためエディンバラ大学に進学。そこで出会った外科学の恩師ベル博士は、ホームズのモデルの一人と言われ、患者を一目見ただけで、その病状のみならず出身地や経歴まで言い当てたといいます。</p>
<p>医者として独り立ちしたドイルでしたが、暇な時間には短編小説を書いて、雑誌社から原稿料をもらうようになります。1887年にはベル博士をモデルにした本作をイギリスの雑誌『ビートンズ・クリスマス年鑑』に発表していますが、特に評判にはなりませんでした。</p>
<p>その後、眼科に転向し開業したもののさっぱり流行らず、『ストランド・マガジン』でのホームズシリーズの短編連載決定を機に、専業作家になることを決意します。</p>
<p><strong>短編第一弾『ボヘミアの醜聞』</strong>（短編集<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%81%AE%E5%86%92%E9%99%BA-%E3%80%90%E6%96%B0%E8%A8%B3%E7%89%88%E3%80%91-%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%AB-ebook/dp/B00JWPBW0G/ref=as_li_ss_tl?_encoding=UTF8&amp;qid=1584109131&amp;sr=8-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=268b0601652e407aa8a49fccf5284cf0&amp;language=ja_JP">『シャーロック・ホームズの冒険』</a>収録）<strong>は大ヒット</strong>。</p>
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<p>その後もホームズシリーズの掲載号は雑誌の売り上げが何倍にも跳ね上がるなど、社会現象を巻き起こすことになりました。</p>
<p>しかしドイル自身は探偵小説を重要視しておらず、彼が本来書きたかったのは<strong>歴史小説</strong>。そちらでも多くの優れた作品を遺していますが、残念ながらホームズシリーズほどの爆発的な人気は出ませんでした。</p>
<p>文壇で確固たる地位を得たものの、探偵ものを書くのが本意ではなかったドイル。ホームズに嫌気がさし、1893年に発表した『最後の事件』（短編集<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%81%AE%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA%EF%BC%88%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB%EF%BC%89-%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA-%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%AB-ebook/dp/B01BHQQHUC/ref=as_li_ss_tl?_encoding=UTF8&amp;qid=1584109284&amp;sr=8-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=2cf97c2ee6692b9599b50813ee41142c&amp;language=ja_JP">『シャーロック・ホームズの思い出』</a>収録）で<strong>ホームズを死なせてしまいます</strong>。</p>
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<p>この死を受けて雑誌社には抗議の手紙が殺到。街には喪章をつけて歩く人まで現れるほどの事態になってしまいました。</p>
<p>その後の数年間、ドイルは家族の療養への付き添いのほか、ボランティア医師として戦地に赴くなどして過ごしています。この時期に『大ボーア戦争』という本も出版。その内容が評価され、「サー」の爵位を与えられました。</p>
<p>1901年に長編<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E5%AE%B6%E3%81%AE%E7%8A%AC%EF%BC%88%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB%EF%BC%89-%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA-%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%AB-ebook/dp/B01BHQQI0Q/ref=as_li_ss_tl?_encoding=UTF8&amp;qid=1584109427&amp;sr=8-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=0b81596eea3ab0003e545f30e2761e2c&amp;language=ja_JP">『バスカヴィル家の犬』</a>でホームズを一時的に復活させ、ファンを喜ばせたドイル。</p>
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<p>1903年になると<strong>“ホームズは実は死んでいなかった”</strong>という驚きの展開とともに、短編の連載を再開します。</p>
<p>ドイルは1930年に71歳で亡くなりますが、1927年の『ショスコム荘』（短編集<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%81%AE%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E7%B0%BF%EF%BC%88%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB%EF%BC%89-%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA-%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%AB-ebook/dp/B01BHQQHRK/ref=as_li_ss_tl?_encoding=UTF8&amp;qid=1584109509&amp;sr=8-1&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=00a8cd5029a924dc5840c1f74ae1cfe4&amp;language=ja_JP">『シャーロック・ホームズの事件簿』</a>収録）まで、長編4編、短編56編のホームズシリーズを書き上げました。</p>
<div class="product-item-box amazon-item-box no-icon product-item-error cf"><div><a rel="nofollow noopener" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BHQQHRK/koten-ibuki-22/" target="_blank">Amazonで詳細を見る</a></div></div>
<p>自らが生み出した“偉大な名探偵”に、ある意味作家人生を狂わされたドイルでしたが、その晩年にはホームズを受け入れ、大切な存在として感謝していたと言われています。</p>
<h3><span id="toc8">ホームズを愛してやまない熱狂的ファン“シャーロッキアン”を生み出した</span></h3>
<p>ヴィクトリア朝当時から根強い人気を得てきたシャーロック・ホームズシリーズには、その世界を愛してやまない熱烈なファンが存在します。その名は<strong>“シャーロッキアン”</strong>。</p>
<p>彼らは世界のあらゆる場所で日々ホームズへの愛を胸に、食文化や生活様式・歴史背景など、作品世界をあらゆる角度から研究しています。</p>
<p>もちろん日本にもシャーロッキアンは存在し、小林司さん・東山あかねさんご夫妻をはじめ、日暮雅通さん、北原尚彦さん、関矢悦子さんなど、著名なシャーロッキアンの方々による翻訳版や解説書も数多く出版され人気を集めています。</p>
<p>また、小林司さん・東山あかねさんご夫妻の声掛けにより創立された、<a href="http://www.holmesjapan.jp/">日本シャーロック・ホームズ・クラブ（JSHC）</a>では、会員同士の交流や研究成果披露のための場を設け、より多くの人がホームズの世界に気軽に親しめるような活動も行っています。</p>
<h3><span id="toc9">広がり続けるホームズの世界　“パスティーシュ”作品を楽しもう！</span></h3>
<p>書店や図書館で、作者名がコナン・ドイルではないホームズ作品を見かけたことはありませんか？実はそれらは<strong>“ホームズ・パスティーシュ”</strong>と呼ばれる、ホームズシリーズの設定や要素をベースに生み出された作品たちです。分かりやすく言えば「二次創作」というヤツ。</p>
<p>著名な作家やシャーロッキアンなど、多くの人びとの手によって創作されてきたパスティーシュ作品。そのジャンルは多岐にわたり、登場人物や時代をそのまま使っているもの、時代や性別・国籍などが違うもの、中にはホームズと同時代の歴史上の人物を登場させた作品まであります。</p>
<p>正典へのオマージュが効いたこれらの作品には、ホームズや作品世界への愛と尊敬が込められており、新たな作品が発表されるたびにシャーロッキアンの間で大きな話題を呼んでいます。</p>
<p>日本でも島田荘司さん、北原尚彦さん、高殿円さんなどなど、人気作家さんたちの手によるパスティーシュ作品が多数発表されていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。</p>
<p>ちなみに、コナン・ドイルが書いたホームズの60編の長短編は、シャーロッキアンの間では“正典（キャノン）”と呼ばれ、それ以外の作品とは明確に区別されています。</p>
<p><strong>※続きは次ページへ</strong></p>
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<p class="text-pos"><span class="quote">＼シャーロック・ホームズシリーズも読める！／</span><span style="color: #003366;"><a class="btn btn-orange btn-l" style="color: #003366;" href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimitedを30日間無料で体験する！</a></span></p>
]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>梶井基次郎の短編『檸檬』のあらすじや内容、舞台の解説！作中に登場する「檸檬」は何を意味している？</title>
		<link>https://koten-ibuki.com/lemon/</link>
					<comments>https://koten-ibuki.com/lemon/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[北原 亘]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 19 Feb 2020 12:07:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[日本文学]]></category>
		<category><![CDATA[日本近現代文学]]></category>
		<category><![CDATA[短編小説]]></category>
		<category><![CDATA[梶井基次郎]]></category>
		<category><![CDATA[Kindle Unlimited対応]]></category>
		<category><![CDATA[青空文庫対応]]></category>
		<category><![CDATA[近現代文学]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://koten-ibuki.com/?p=2231</guid>

					<description><![CDATA[梶井基次郎の描く短編小説『檸檬』。 作品の名前くらいは、高校の教科書で誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。 しかし、その筋らしい筋の無いストーリーと唐突なラストに「一体作者は何が言いたいんだ！」と本をぶん [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>梶井基次郎の描く短編小説<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/B009IXE1I2/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&amp;linkCode=ll1&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkId=c4c874ee2f04f06083c7e98c24a4485f&amp;language=ja_JP"><strong>『檸檬』</strong></a>。</p>
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<p>作品の名前くらいは、高校の教科書で誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。</p>
<p>しかし、その筋らしい筋の無いストーリーと唐突なラストに<strong>「一体作者は何が言いたいんだ！」</strong>と本をぶん投げたくなった人も多いはず。</p>
<p>今回は、謎に満ちた作品を丁寧に解説し、内容を紐解いていきたいと思います。</p>
<p>なお、この記事では<strong>1ページ目にあらすじや作品情報・トリビアといった解説文</strong>を、<strong>2ページ目は書評(ネタバレ多め)</strong>を掲載していますので、部分ごとに読んでいただいても大丈夫です。</p>

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</div>

<h2><span id="toc1">檸檬の作品情報</span></h2>
<table class="wp-table-tate">
<tbody>
<tr>
<th>作者</th>
<td>梶井基次郎</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆年</th>
<td>1924年</td>
</tr>
<tr>
<th>執筆国</th>
<td>日本</td>
</tr>
<tr>
<th>言語</th>
<td>日本語</td>
</tr>
<tr>
<th>ジャンル</th>
<td>短編小説</td>
</tr>
<tr>
<th>読解難度</th>
<td>読みやすい</td>
</tr>
<tr>
<th>電子書籍化</th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://koten-ibuki.com/aozora/">青空文庫</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
<tr>
<th><a href="https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&amp;_encoding=UTF8&amp;tag=koten-ibuki-22&amp;linkCode=ur2&amp;linkId=3a3ae55e9aa4c9f1a2c94f2698ff1358&amp;camp=247&amp;creative=1211">Kindle Unlimited読み放題</a></th>
<td>〇</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<h2><span id="toc2">檸檬の簡単なあらすじ</span></h2>
<p>主人公の<strong>「私」</strong>は「えたいのしれない不吉な魂」に取り憑かれた青年。</p>
<p>淡々とした1人語りを繰り出す彼は肺尖カタル（肺結核の初期症状）と神経衰弱を患い、倦怠の日々を過ごしていました。</p>
<p>荒んだ心を慰めるように京都の町を徘徊するものの、以前は好んだ丸善（洋書や高級文具を扱う店）も今の「私」にとってはただ「重苦しい」施設になってしまっています。</p>
<p>あてもなく町を彷徨う「私」は寺町（京都市の南北の通りの名の一つ）の果物屋で足を止め、檸檬を一つ買いました。</p>
<p>檸檬の冷たい手触りに癒されて、「私」は幸福を感じます。</p>
<p>気分の良くなった「私」は町を歩き続け、丸善の前に差し掛かると店に入り、アングルの画集を手に取ります。</p>
<p>しかし画集を捲るうち再び心が塞いでゆくのを感じた「私」は袂から檸檬を取り出し、それを画集の山の上に置いて丸善をそっと後にするのでした。</p>
<p>「黄金色に輝く恐ろしい爆弾」が十分後には丸善を木っ端微塵にするだろうと夢想して。</p>
<h2><span id="toc3">こんな人に読んでほしい</span></h2>
<div class="blank-box"><strong>・透明な文体が好み</strong><br />
<strong>・青年の繊細な感性で書かれた作品が読みたい</strong><br />
<strong>・純文学デビューしたい</strong></div>
<div>
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          </div>

</div>

</div>
<h2><span id="toc4">檸檬の作者や舞台、画集について解説！</span></h2>
<h3><span id="toc5">若くして世を去った天才作家・梶井基次郎</span></h3>
<p>作者・<strong>梶井基次郎</strong>は、明治34年（1901）に大阪の会社員の父と、藤村や漱石を愛読する読書家の母・久子との間に誕生しました。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2232 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/Motojiro_kazii-768x1024.jpg" alt="梶井基次郎　写真" width="375" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/Motojiro_kazii-768x1024.jpg 768w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/Motojiro_kazii-225x300.jpg 225w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/Motojiro_kazii.jpg 800w" sizes="(max-width: 375px) 100vw, 375px" /><span class="quote">梶井基次郎（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>梶井は第三高等学校（現・京都大学総合人間学部）で理科を専攻するものの、漱石や谷崎を愛読。次第に文学へ傾倒していきます。</p>
<p>大正9年（1920）、彼は高等学校1年のとき肋膜炎に罹り休学。のちに肺尖カタルであることが判明し、以降彼の持病となりました。</p>
<p>復学してからも学業には身が入らず酒に溺れ、祇園や新京極で遊び歩く放蕩生活を送ります。この頃から小説の創作を始めるようになりました。</p>
<p>大正13年（1924）、5年がかりで三高を卒業後、東京帝国大学文学部に入学。</p>
<p>その年に友人らと同人誌『青空』を企画。翌年に本作<strong>『檸檬』</strong>を掲載した『青空』が刊行されるも、反響は得られませんでした。</p>
<p>昭和3年（1928）、東京帝国大学を中退、大阪に帰郷します。この頃にはかなり結核が悪化していましたが、病床で『ある崖上の感情』『桜の樹の下には』など優れた短編を執筆。</p>
<p>昭和6年（1931）、衰弱した梶井を見た『青空』の同人・三好達治らが彼の存命中に創作集を世に出そうと奔走し、初の創作集『檸檬』が刊行されます。</p>
<p>これを機に彼は文壇から注目を集めるようになりますが、病は着実に進行。昭和7年（1932）、31歳の若さで梶井はこの世を去ったのでした。</p>
<h3><span id="toc6">『檸檬』に対する友人たちの反応はイマイチだった</span></h3>
<p>今日では折り紙付きの名作『檸檬』ですが、同人誌に発表した当時、仲間たちからの反応は芳しくなかったそうです。</p>
<p>とくに梶井の三高からの友人・中谷孝雄は、彼から手垢に塗れたレモンをもらったことを回想し、本作を読んだ当時<strong>不快感を覚えた</strong>と述べています。</p>
<p>薄汚れた果物を手渡された記憶を作品から思い出し、腹が立ったという感じでしょうか。</p>
<p>作家と個人的な付き合いがあると、作品だけを純粋に評価するというのは難しいのかもしれませんね。</p>
<p>しかし、創作集として刊行された『檸檬』は、鋭敏な感性とその表現力で小林秀雄らをはじめとする文学人から高く評価されたのでした。</p>
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<h3><span id="toc7">京都にある丸善は、ハイカラな店だった</span></h3>
<p>本作にも名前が登場する京都の書店「丸善」は、明治5年（1872）にオープンしました。それから一度閉店を経て、明治40年（1907）に三条麩屋町に再び姿を見せます。</p>
<p>『檸檬』の舞台となったのはこの麩屋町の丸善です。現代における丸善は書店としてよく知られていますが、当時は洋書から舶来物の香水や石鹸のような贅沢品まで扱うハイカラなお店でした。</p>
<p>その後も場所を移動しつつつつ営業を続けますが、2005年に店を閉じました。閉店時には、名作に登場する店舗の撤退を惜しんだ客が書棚にレモンを置いていく姿が見られたそうです。</p>
<p>惜しまれつつ閉店した丸善ですが、2015年に再オープンしました。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2233 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/70144.jpg" alt="丸善　京都" width="587" height="300" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/70144.jpg 450w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/70144-300x153.jpg 300w" sizes="(max-width: 587px) 100vw, 587px" /><span class="quote">現在の丸善京都本店（出典：honto.jp）</span></p>
<p>京都BALの地下1、2階のスペースで、現在も営業を続けています。</p>
<p>さらに、地下2階にはカフェを併設し、『檸檬』をかたどったケーキを食べることができます。</p>
<p>彼の小説とともに、丸善は今も人々に愛される書店として京都の地にしっかりと根付いているのですね。</p>
<p><iframe loading="lazy" style="border: 0;" src="https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m14!1m8!1m3!1d13071.96520091048!2d135.7694488!3d35.0069229!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x0%3A0xcb523741218e63eb!2z5Li45ZaEIOS6rOmDveacrOW6lw!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1581946854246!5m2!1sja!2sjp" width="600" height="450" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></p>
<h3><span id="toc8">作品には梶井基次郎の贅沢好みが反映されている？</span></h3>
<p>昔ながらの高級店・丸善を小説にさらっと登場させるなんて、それだけでちょっとハイセンス。さながらカポーティの『ティファニーで朝食を』のような小粋さです。</p>
<p>実際、梶井はなかなか高級嗜好だったようで、髪につけるポマードはフランス製、紅茶は当時高級だったリプトン、バターは小岩井農場のものを好んだとか。丸善にもよく通ったと言われています。そのほか、音楽会や展覧会にも頻繁に足を運ぶ芸術好き。</p>
<p>友人の回想によると彼は五感が鋭く、100メートル先の花の匂いを嗅ぎ分けられたり、足音だけで人の感情が分かったりしたそうです。</p>
<p>いわば<strong>「違いの分かる男」</strong>。高級品にこだわりを見せたのも納得です。</p>
<p>一流の芸術や高級品に触れてさらに磨かれた彼の感性は、小説の中でフルに生かされています。</p>
<p>しかし、学生の梶井基次郎の生活資金は、なんと母からの仕送りでありました。作品に昇華されていったとはいえ、決して豊かではない家計から彼の贅沢を支える仕送りをしていたお母さまには頭が上がりません…。</p>
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<h3><span id="toc9">梶井基次郎が影響を与えた人物は太宰の親戚？</span></h3>
<p>梶井基次郎から影響を受けた人物が青森出身の洋画家・小館善四郎（1914〜2003）。</p>
<p>『檸檬』を読んで深い感銘を受け、以降レモンを主要なモチーフとして作品を作り続けました。<br />
今日では、<strong>「檸檬の画家」</strong>という呼び名で親しまれています。</p>
<p>そんな小館善四郎、実は太宰治の親戚筋なのです。太宰の姉が善四郎の兄のもとに嫁いできた縁で、善四郎にとって太宰は義兄にあたります。</p>
<p>美術を学ぶため東京に出ていた善四郎を太宰はよく可愛がったと言います。義兄が太宰治という環境もあり、善四郎自身にも深い文学的教養があったことが窺えますね。</p>
<h3><span id="toc10">「私」がかつて好んだ画家・アングル</span></h3>
<p>少し脇道に逸れますが、丸善で「私」が手に取った画集の作家、<strong>アングル</strong>について解説します。</p>
<p class="text-pos"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-2234 aligncenter" src="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/800px-Ingres_Self-portrait.jpg" alt="アングル　肖像画" width="402" height="500" srcset="https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/800px-Ingres_Self-portrait.jpg 800w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/800px-Ingres_Self-portrait-241x300.jpg 241w, https://koten-ibuki.com/wp-content/uploads/2020/02/800px-Ingres_Self-portrait-768x955.jpg 768w" sizes="(max-width: 402px) 100vw, 402px" /><span class="quote">アングル（出典：Wikipedia）</span></p>
<p>何気なく言及されている画家の名前ですが、作品の重要なキーワードとなると思うのでお付き合い下さい。</p>
<p>アングルは19世紀フランスで活躍した新古典主義の代表的な画家で、絵画<strong>「グランド・オダリスク」</strong>の存在でよく知られています。</p>
<p>新古典主義とは、フランスのアカデミー（美術教育制度）で成立した様式。解剖学や遠近法に基づいた均整のとれた画面や、滑らかな筆遣いを特徴とします。</p>
<p>また、神話や歴史など伝統的な画題を重視し、まさに芸術の「王道」としての地位を誇っていました。</p>
<p>新古典主義に属するブグロー、ジェロームらは、当時台頭していた印象派を徹底的に批判したことでも有名です。</p>
<p>と、こんな話からも分かる通り、アングルを筆頭とする新古典主義はまさしく「権威的な」「おカタい」美のあり方を代表するものでもありました。</p>
<p>この点は作品のタイトル「檸檬」を理解するためにも重要なので、よく覚えておいてください。</p>
<p><strong>※続きは次ページへ</strong></p>
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