古典文学・研究書・論文を読む時でも「電子書籍」と「紙の本」は使い分けるべき!両方のメリットを場面別に比較

古典オピニオン
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昨今はずいぶんと電子書籍が普及し、とくにコミックの分野においては主流として定着している感さえあります。

一方で、今回取り扱うような「古典文学・研究書・論文」といった「学術書」に関しては、まだ紙の本で読む人が圧倒的多数を占めているという印象はぬぐえません。

しかし、コミックだけでなく学術書の場合も、電子書籍が優れている場面というのはたくさんあります。

そこで、今回の記事では「学術書」を読む場合に絞り、「電子書籍」と「紙の本」のおすすめしたい使い分け方法を解説していきます!

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電子書籍のメリットが生きるおすすめの場面

まず、学術書を読む上で「電子書籍のメリットが最大限発揮される場面」をまとめてみました。

電子化されているということは、当然ながら電子ならではの良さがあります。

分厚い本や、何巻にもわたって刊行されている本を外で読む場合

個人的に、電子書籍で本を読む最大のメリットは「重さ」の面にあると考えています。

紙の本であれば、当然ながらページ数が増えていけば重さと厚さが増し、どんどん持ち運びの負担が増えていきます。

しかし、時には出先でハードカバーを読みたい場面や、何冊も本を持ち歩かなければならない場面に出会うこともあるでしょう。

とくに学術書であれば、一般書よりも持ち運びが厳しいものも多く…。

そんなとき、持ち運ぶ本が電子書籍なら何冊あっても電子書籍リーダーの重量だけで済みます。

例えば、Amazonから発売されている電子書籍リーダー「Kindle」なら軽量のモデルでわずか200グラム未満。

文庫本一冊持つのと変わらないうえ、平らなので小さなカバンの中にもスッポリと入ります。

外出先で頻繁に読書をする方には、ぜひとも電子書籍をオススメしたいです。

自宅のスペースに余裕がない場合

これは上のメリットとも似ていますが、電子書籍は場所をとりません

読書家の方だと、本を月に何冊も買うために自宅が本であふれているという場合もあると思います。

家が広くスペースの余裕があればいいのですが、私のようにワンルーム・1Kといった狭い部屋に住んでいる場合、本棚はかなりの圧迫感が…。

加えて置ける本の量も限られるので、本当にお気に入りの本以外は泣く泣く手放すこともありました。

電子書籍の場合はこうした悩みとも無縁なので、スペースの確保に悩んでいる方は検討の価値アリ。

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青空文庫・CiNiiなど、デジタルアーカイブの本を読む場合

電子書籍の場合、紙で読むよりも圧倒的に安く、かつ効率的に本を読めることがあります。

・著作権切れの作品を集めた「青空文庫」

・論文などを収集・公開している「CiNii」

・大昔の巻物から官公庁の調査資料まで読める「国会図書館デジタルコレクション」

…といったデジタルアーカイブサービスを利用する場合、そもそも電子書籍以外の選択肢はありません。

ここに挙げたのはどれも無料のサービスで、上手く使えば読書・研究生活をより充実したものにできます。

他にも有料のデジタルアーカイブサービスは数多く存在し、それもやはり電子書籍で読むのが原則。

もっとも、どれも紙の原本は存在するので、紙で読めないわけではありません。

しかし、青空文庫のように「普通に読もうとすれば多少お金がかかる」というものから、国会図書館デジタルコレクションの場合「普段は外部に公開されておらず、膨大な手続きを要する」というものまであり、電子書籍を活用するのが圧倒的に楽という場合も多いです。

新品で本を少しでも安く買いたい場合

電子書籍は紙の本に比べると新品の値段が低いという特徴があります。

紙よりも流通・販売にかかるコストが抑えられるので、その分が本の値段に反映されるからです。

なので、「新品の本を少しでも安く買いたい」という場合は電子書籍を利用するのが最も賢い方法だといえるでしょう。

ただし、電子書籍の割引率は微々たるものであることも多く、「中古本」に抵抗がなければ、それが最安値になるのも事実です。

学術書だと、そもそも中古市場に出回らないこともありますが…。

難読漢字や難しい固有名詞が多い本を読む場合

古典文学は特にあてはまりますが、作中に難読漢字や難しい固有名詞が多数登場することは珍しくありません。

注や解説も充実してはいますが、時には全く分からないものもあるでしょう。

そんなとき、私たちはたいていググります。

しかし、古典の場合は「そもそも漢字が読めないので、検索することもできない」という経験をすることがあります。

私はいつも無理やり手書き検索を使いますが、だいぶ読書のテンポを損なってしまうので、いつしか調べるのが億劫になりました。

が、電子書籍ならコピペで瞬時に検索できるので、分からない部分を放置することが少なくなったように思います。

「読書のテンポ感」は意外と大切だと思っているので、そこを重視したい方にはオススメ。

紙の本のメリットが生きるおすすめの場面

電子書籍にメリットがあるように、当然紙の本にもメリットがあります。

そもそも「電子化されていない」という場合は紙の本を読むしかありませんし、紙の価値が失われることはないでしょう。

ただ、他にも電子書籍と比較して初めて気づくメリットはたくさんあります。

中古やオンボロでも本を安く読みたい場合

新品だと紙の本は少し高めの値段設定になっていますが、中古本に抵抗がなければそのほうが安くなるというのは先ほども触れました。

加えて、紙の本には「図書館」という最強のサービスがあります。

膨大な数の本を館内で自由に読めますし、さらには無料で貸出まで対応している。

あまりにも当たり前になりすぎて価値を見失いそうになりますが、冷静に考えればとんでもないサービス。

とくに専門書は購入すれば数万円が吹っ飛んでいくことも珍しくないので、迷うことなく図書館を利用します。

・営業時間が短く、基本的に現地へ行かなければならない

・他の人に借りられてしまうこともある

・前にどんな奴が読んだ本だかわからない

などなどのデメリットを差し引いても、電子書籍にはない圧倒的なメリットがあります。

何度もページを行き来する場合

個人的に電子書籍最大のデメリットは「ページを行き来するテンポが悪い」ことだと思っています。

難しい本になればなるほど「あのページに戻りたい!」という場面は増えますし、その回数も増えます。

紙の本であれば、だいたいの感覚でパッとページを開いて移動するのも、目次からページに飛ぶのも非常に手早くできます。

一方、電子書籍の場合は画面にページ数を打ち込むorスライダーを動かすという方法がほとんど。

すごくモタモタするかというとそうでもありませんが、液晶のタッチラグや読み込み時間など、無駄な時間も少なくありません。

何度もページを行き来する場合は、紙の本を読むべきです。

書き込みや付箋などが必要な場合

自分で購入した本なら、書き込みや付箋の貼り付けをしても全く問題ありません。

思ったことをすぐにメモ、あるいは印象的なページに付箋を貼って後で読み返すのも、有効な読書法。

これに関しては、電子書籍が一歩劣ります。

メモ機能や付箋機能はだいたい搭載されていますが、先ほどから言っているように「読書のテンポ」を重視すると、紙の場合よりもモタつきます。

現状の技術ではまだアナログのほうが優位な場面の一つですね。

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どちらにもメリットがあるので、用途によって使い分けを!

電子書籍と紙の本には、どちらにも同じくらいのメリットがあります。

私の感覚ですが

「本を多く持ち、いつでもどこでも手軽に読みたい人」

はどちらかというと電子書籍向きで、

「一冊の本を擦り切れるまで読み倒す人」

はどちらかというと紙の本向きかもしれません。

ただ、青空文庫やデジタルアーカイブのように「電子のほうが圧倒的に優れている」ものもあれば、そもそも電子化されていない本も多いので、やはり使い分けが重要です。

電子書籍を読むならタブレット「Fire」とリーダー「Kindle」がコスパ高

電子書籍を読むには、当然ながら「読むための端末」が必要になります。

もはや日本人なら誰もが持っているスマホやPCでも読めますが、持ち運びの難易度や画面の大きさなど、なかなか読書に適さないものがほとんど。

例えば「4インチのスマホ」と「デスクトップパソコン」は、どちらも読書向きとはいえません。

なので、電子書籍を読みたい、あるいは電子書籍を日々読んでいるという方には、ある程度適したサイズのタブレットやリーダーの購入をオススメします。

世の中には数多くの端末が出回っていますが

・値段の安さ

・最低限の機能(本を読む、情報を検索する程度)

を両立しているのは、Amazonから出ているタブレット「Fire」シリーズと、

電子書籍リーダー「Kindle」シリーズ

どちらも1万円以下という破格の安さながら、電子書籍リーダーとして十分な機能を備えています。

ちなみに、両端末の違いは

・Kindle…本を読むことに特化した電子書籍リーダー

・Fire…軽負荷なものならなんでもできる万能タブレット

という感じ。

私は両方を買っており、

・Kindle…読み放題青空文庫収録作を読むリーダー

・Fire…CiNiiやデジタルアーカイブの閲覧用タブレット

というように使い分け中。仕事にも趣味にも使えるので、めちゃくちゃ重宝してます。

kindle paperwhite fire7 比較手持ちのKindle PaperwhiteとFire 7
(左は戯曲『ピグマリオン』、右は渋沢栄一の調べもの)

両方購入しても2万円に届かない格安端末なので「お試し」的に買ってみてもいいかもしれません。

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